2013 Fiscal Year Annual Research Report
ウイロイド-ノンコーディング環状RNA分子の組換え・欠損変異体と自己複製能
Project/Area Number |
12J01941
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
対馬 太郎 岩手大学, 大学院連合農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ウイロイド / コリウス / ダリア / 種子伝染 / 分子内ループ |
Research Abstract |
日本産コリウスから検出・同定した国内未報告のCbVd-5の宿主域と病原性を調査するために、レモンバーム、バジル、コリウスを用いて接種試験を行った。5カ月間にわたり感染の有無をノザンブロット法で調査した結果、CbVd-5は、レモンバームとバジルに感染しないことを明らかにした。CbVd-1とCbVd-6ではこれらの植物に感染性を示すことから、CbVd-5は、CbVd-1及びCbVd-6とは宿主域が異なることを明らかにした。 DLVdは、ウイロイド分子内にHostuviroid属とPospiviroid属のウイロイド群に特異的な配列を併せ持つ極めて異例なウイロイドであるということ、さらに、ダリア、ジャガイモ、トマト、キュウリそしてタバコを用いた接種試験では、ダリア以外に感染せず、極めて宿主範囲が限定的なウイロイドであることが報告されている。本研究では、国産ダリアから初めてDLVdを単離・同定し、Hostuviroid属の主な宿主であるホップで接種試験を行った。その結果、ホップにおいても感染性を示さず、DLVdの宿主域が極めて限定的であることをさらに特徴づけた。 CbVd-1を対象とした種子伝染性調査の過程で、種子伝染率の異なるCbVd-1変異体の比較から、2塩基の変異に注目した。今年度行ったM-foldでの二次構造解析の結果、新たに、それらの2塩基の変異箇所において形成される分子内ループ構造が異なることを明らかにした。ウイロイド分子内ループ構造は、宿主植物内でのウイロイド細胞間移行に関与することが明らかになっている。さらに、ウイロイドの種子伝染には、胚珠への侵入が必要であることを考慮すると、CbVd-1のループ構造の変異がコリウス胚珠への侵入に関与していることが示唆された。すなわち、CbVd-1の種子伝染性を制御している可能性のある分子構造を明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(1 results)