2012 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体レドックスネットワークを中心とする小胞体品質管理機構の解析
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12J02049
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
新木 和孝 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディシナル情報研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 小胞体 / レドックス / プロテオミクス / 酸化還元酵素 / 品質管理機構 |
Research Abstract |
○レドックスカスケードにおけるhub regulatorの機能解析 これまでにPDIの分子内電子伝達機構の存在を明らかにしてきたが、この分子機序を基盤とするPDIファミリー同士での電子伝達の素過程を解析する時空間的ダイナミクスや電子授受関係を動態解析により明らかにすることを試みている。特に細胞内でのPDIのダイナミクスを定量的に解析する方法を考案中であり、今後の実用化を目指している。 ○内在性タンパク質のレドックス状態の検出・定量方法の確立と活用 上記のin vitro実験で精製した小胞体レドックス因子のリコンビナントタンパク質を利用し、レドックスタンパク質のレドックス状態に応じて変化する質量分析装置で検出されるペプチドの位置情報を洗い出す。サイトゾルに局在するチオレドキシンなどもコントロールとして、再現性の確認や高感度化を試みている。 それ以外にも下記の基礎研究を遂行中である。 ○小胞体レドックス因子の変異体をHEK293T細胞にstableに発現させた細胞株を作成し、それをもとにした相互作用解析を進行中である。 ○小胞体を含めたオルガネラを再現性良く確実に回収する分画の方法論も確立しつつある。細胞の溶解条件、分画条件の最適化、ならびにオルガネラを特異的に回収する新規方法論も開発中である。 以上の実験は、今後の研究を進める上での確固たる基礎となるものであり、この基礎の上に今年度以降、応用研究を遂行していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた通りの研究進行である。特に昨年度は基礎ツールの開発等を主体としていた。その技術をいかに応用していくかによって、今後の進展が決定されると考えている。本年度以降の研究は特に応用研究に集中していきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
11でも述べたように、昨年度は基礎ツールの開発等を主体としていた。本年度以降はその基礎技術をもとにして、細胞生物学への応用研究に集中していきたいと考えている。レドックスという観点から生体内の恒常性を定量的に観察して行きたい。
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Research Products
(2 results)