2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J02085
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
張 紅娜 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Elastic turbulence / Incept condition / Mixing enhancement / Wall effect / Curvature effect / Polymers' elongation |
Research Abstract |
直接数値計算(DNS)を用いて、直管や曲がり管内の弾性乱流の数値計算データベースが構築された。その過程は以下にまとめられる。 (1)直管内における弾性乱流 乱流発生条件、渦度場の特徴、ポリマーの伸長と混合向上性。弾性乱流が発生する時、急激的な流れの抵抗や速度成分の二乗平均平方根の増加が発見された。流れ方向と壁方向の速度変動は局所的な四極流れパターンを示した。 また、ポリマーの伸長は、強い勾配領域に存在する屈曲したフィラメント構造を示した。その上、弾性乱流は、慣性乱流と比べて減衰が著しく早かった。弾性乱流内の渦構造のスケールは管の幅と同じスケールで、層流領域と比べて、顕著な混合効果の向上が観測された。 (2)蛇行管内における弾性乱流 観測された乱流発生条件以上において、管断面に垂直な方向に強い2次流れが発生し、指数関数的に増加する摩擦係数と強い混合向上効果を誘起した。バルク流れから壁面近傍へのエネルギー伝達によって、より大きい曲率の壁面近傍では連続的に渦構造が発生した。ポリマーの遅い緩和はその物理機構に深く関係していると思われる。その上、直管内の弾性乱流では弾性乱流の生成は抑制されているのに対し、曲がり管内では、弾性乱流の発生が促進させられていることが見出された。 今後、次のステップとして、流れの可視化と圧力損失測定実験するために、蛇行正方形断面(5mm×5mm)、計測装置と作動流体を含む実験システムを構築する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで直管や曲がり管内の弾性乱流の数値計算データベースが構築された。この数値データベースを基に、弾性乱流の基本的特徴や機構を分析した。今後、その基礎となる物理構機やモデリングの解明を行うことができる。さらに実験システムが作成されたので、次のステップを実施することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)流動計測:a)流路内圧力損失計測:微差圧計を用いて差圧を計測し、弾性乱流の乱流遷移条件の確立と乱流発達、減衰過程を明らかにする。b)流速計測:Pt線における水の電気分解で発生するマイクロバブルをトレーサーとして用い、高速カメラで可視化し、流路内の平均速度分布を取得して、差圧計測によって得られた乱流発達と減衰過程の比較検討を行う。c)流動混合過程の可視化:試験流体中に蛍光粒子を注入し、高速カメラを用いて流体中の光量分布の時系列データを取得し、試験流体の混合過程を理解する。(2)数値計算コード構築:平成24年度に構築した数値計算コードの基に、エネルギー輸送方程式を組み込み、弾性乱流の伝熱機構を理解する。(3)弾性乱流の機構分析:実験計測と数値計算結果を基に、高分子構造と乱流構造間の相互作用を分析し、これらのエネルギー伝達過程を理解する。
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