2014 Fiscal Year Annual Research Report
主鎖上に刺激応答性ロタキサン構造を有するポリアセチレンの精密合成と機能開発
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12J02090
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
磯野 拓也 北海道大学, 大学院工学研究院, 特任助教
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Project Period (FY) |
2012 – 2015-03-31
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Keywords | ポリロタキサン / ポリアセチレン / 環化重合 / 超分子 / 特殊構造ポリマー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題はポリフェニルアセチレン(PPA)主鎖上に刺激応答性を有するロタキサン構造を備えた新規高分子を合成し、外部刺激によるロタキサン部位のシャトリングの情報をポリマー主鎖のらせん構造(キラリティー)や共役長(色調変化)として効率よく出力させるシステムを構築することを最終目標としている。特に、本研究ではジアセチレンの環化重合によりポリマー主鎖上にロタキサン構造を導入できる点に特徴がある。得られた成果を下記にまとめる。 1. pHに応答するロタキサン構造として、クラウンエーテル/二級アンモニウム塩をモチーフとする繰り返し構造を備えたPPA誘導体の合成を試みた。オリゴエチレングリコールの両末端にフェニルアセチレン残基を有するジアセチレンモノマーを環化重合したところ、主鎖上にクラウン環を備えたポリフェニルアセチレンを与えることを見出した。この知見をもとに、嵩高い末端封鎖基を備えた二級アンモニウム塩存在下にこれらのモノマーの環化重合を行った。その結果、モノマーのエチレングリコール鎖長がロタキサン形成に影響を与えることが示唆され、ヘキサエチレングリコール鎖を有する場合に最も高いロタキサン形成率が達成された。 2. 光に応答するロタキサン構造として環状テトラアミド/フマルアミドをモチーフとした繰り返し構造を備えたPPA誘導体の合成を試みた。4つのアミド基を備えたジアセチレンモノマーを設計し、その重合を行ったが溶媒に不溶なポリマーを与えることが判明した。これはモノマー構造が分子内水素結合によって環化しにくいコンホメーションに固定化されたためと考えられる。したがって、アミド結合の位置を設計しなおすことで環化重合が進行するようになると期待される。 以上の結果より、主鎖上に刺激応答性ロタキサン構造を有するポリフェニルアセチレンの精密合成と機能化に向けた礎を築けたと考えている。
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Research Progress Status |
本研究課題は補助事業廃止が承認された研究課題のため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は補助事業廃止が承認された研究課題のため、記入しない。
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[Journal Article] Synthesis of Linear, Cyclic, Figure-Eight-Shaped, and Tadpole-Shaped Amphiphilic Block Copolyethers via t-Bu-P4-Catalyzed Ring-Opening Polymerization of Hydrophilic and Hydrophobic Glycidyl Ethers2014
Author(s)
Isono, T.; Satoh, Y.; Miyachi, K.; Chen, Y.; Sato, S.-i.; Tajima, K.; Satoh, T.; Kakuchi, T.
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Journal Title
Macromolecules
Volume: 47
Pages: 2853-2863
DOI
Peer Reviewed
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