2013 Fiscal Year Annual Research Report
低極性有機溶媒中で機能する触媒担持刺激応答性高分子の創製
Project/Area Number |
12J02093
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
雨森 翔悟 北海道大学, 大学院総合化学院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 温度応答性 / 下限臨界共溶温度 / 上限臨界共溶温変 / 刺激応答性 / 超分子 / 電荷移動相互作用 / ドナー / アクセプター |
Research Abstract |
本研究の目的はトルエンやアセトン、ジクロロエタン等の有機溶媒中で機能する触媒担持刺激応答性高分子の開発である。これは温度などの外部環境の変化に応答して高分子の溶解性が劇的に変化する刺激応答性を利用し、触媒の活性の制御、触媒の簡便な回収を有機溶媒中で行うものである。これまでの刺激応答性、特に温度に応答する温度応答性は水溶液中での議論に限られてきた。そこで上記の目的を達成するためには、有機溶媒中における温度応答性高分子の開発、また低分子存在下の高分子の溶解挙動について評価する必要がある。本研究では前年度に、尿素官能基を有する高分子に様々な水素結合性の低分子を添加し、高分子-低分子間の水素結合を温度で制御することによって有機溶媒中自在に温度応答性を誘起することに成功しており、触媒担持刺激応答性高分子の開発の新たな設計指針を示した。しかしながら、水素結合は高分子-低分子間と低分子-低分子間の両方が混在しており、高分子と低分子間の相互作用と温度応答性の関係について定量的に評価することは困難であった。そこで本年度はピレン部位を有する高分子と各種アクセプター低分子を用い、高分子-低分子間の電荷移動相互作用を用いることで温度応答性を誘起し、電荷移動錯体に特徴的な吸収スペクトルを利用することで高分子-低分子間の電荷移動相互作用について定量的に評価を行った。結果として、高分子と低分子間の会合の割合が高分子の溶解性を決定づけており、その会合体の割合が温度によって変化することで温度応答性が発現することが判明した。また、低分子の構造中のアクセプター部位の数を変化させることで発現する温度応答性を制御することにも成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(3 results)