2012 Fiscal Year Annual Research Report
Be/X線連星の観測的研究と可視赤外観測装置の開発
Project/Area Number |
12J02282
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
森谷 友由希 広島大学, 宇宙科学センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 輝線星(Be星) / X線連星 / 相互作用 / 可視光観測 / 観測装置 / 制御ソフト |
Research Abstract |
Be/X線連星の観測的研究については、主に以下の5つのことについて取り組んだ。(1)A 0535+262についてX線で活発な時のBe星ガス円盤の様子をまとめた。これまでの観測の結果から浮かんだ「II型アウトバースト時にはBe星ガス円盤が大きく歪み(warped Be disk)、近星点付近までBe星ガス円盤が伸びてきている可能性」について検証を行い、正しそうであることが分かった。この結果については論文にまとめ、現在投稿中である。(2)上記の可能性を、他のBe/X線連星についても当てはめ、Be/X線連星における1型およびII型アウトバーストのシナリオを検討し論文として発表した。(3)ガンマ線を放出しているBe/X線連星LS I+61 303の高分散分光観測結果をシミュレーションと比較しようと試みたが、見積もった軌道位相が間違っていることに気付いたため、位相を再度計算し、共同利用観測申請を行った。(4)「かなた」望遠鏡に現在搭載されている可視1露出型偏光撮像器(HOWPol)を用いていくつかのBe/X線連星の偏光モニターを行った。これは現在解析中である。(5)単独Be星であるEWLacの観測結果を再解析し、Be星ガス円盤の性質を調査し論文に発表した。 可視赤外観測装置の開発については、可視近赤外同時測定カメラ(HONIR)の開発として以下の4つのことについて取り組んだ。(1)フィルターホイールの駆動ソフトの改修を行い、よりスムーズに観測ができるように原点を探さなくてもフィルターを交換できるようにした。更に、フィルターの交換が正常に行われているかどうかを判断できるようにソフトを改良した。(2)フィルターホイール制御・温度計の配線を整頓する制御ボックスの設計並びに製作を行い、装置に組み込んだ。(3)可視、赤外グリズムホルダーの設計、製作をおこなった。(4)読み出し画像に望遠鏡の情報などを挿入するソフトの組込みを行った。現在2013年1月から行っている試験観測を通じて設計した全ての部品やソフトの不良部分を洗い出し、来年度に行われる調整期間に備えている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Be/X線連星の観測的研究については解析、考察、論文化を予定通りに進めた項目と、遅れた項目が混在している。可視赤外観測装置の開発についてはHONIRの開発が遅れている為、偏光モードの試験観測・評価はできなかったが、現在必要な開発を行った。総合的に研究はおおむね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
Be/X線連星の観測的研究については、現在最も予定よりも遅れている「かなた」望遠HOWPolで観測した偏光観測の解析を行う。また、今年度の研究結果から、Be/X線連星の過去の観測について新たに文献調査をする必要が出てきた為、それを追加する。今年度申請した共同利用観測が採用された際には、適宜観測を行う。 可視赤外観測装置の開発については2013年1月からのHONIR試験観測で見つかったソフトウェア・ハードウェア問題の解決に取り組む。HONIRが次回望遠鏡に取り付けられるのは偏光モードの開発が終わってからになる為、必要な開発等を適宜行う。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] FIBRE-Pac : FMOS Image-Based Reduction Package2012
Author(s)
Iwamuro, F. ; Moritani, Y. ; Yabe, K. ; Sumiyoshi, M. ; Kawate, K. ; Tamura, N. ; Akiyama, M. ; Kimura, M. ; Takato, N. ; Tait, P. ; Ohta, K. ; Totani, T. ; Suzuki, Y. ; Tonegawa, M.
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Journal Title
Publications of the Astronomical Society of Japan
Volume: 64
Pages: 論文番号59
Peer Reviewed
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[Journal Article] An optical and near-infrared multipurpose instrument HONIR2012
Author(s)
Sakimoto, K. ; Akitaya, H, ; Yamashita, T. ; Kawabata, K. S. ; Nakaya, H. ; Miyamoto, H. ; Harao, T. ; Itoh, R. ; Matsui, R. ; Moritani, Y. ; Nakashima, A. ; Ohsugi, T. ; Sasada, M. ; Takaki, K. ; Ueno, I. ; Ui, T. ; Urano, T. ; Yoshida, M.
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Journal Title
Proceedings of the SPIE
Volume: 8446
Pages: 論文番号73
DOI
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[Journal Article] Subaru FMOS now and future2012
Author(s)
Tamura, N. ; Takato, N. ; Iwamuro, F. ; Akiyama, M. ; Kimura, M. ; Tait, P. ; Dalton, G. B. ; Murray, G. J. ; Smedley, S. ; Maihara, T. ; Ohta, K. ; Moritani, Y. ; Yabe, K. ; Sumiyoshi, M. ; Totani, T. ; Sugai, H. ; Karoji, H. ; Wang, S.-Y. ; Ohyama, Y.
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Journal Title
Proceedings of the SPIE
Volume: 8446
Pages: 論文番号0M
DOI
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