2013 Fiscal Year Annual Research Report
連鎖球菌による宿主細胞表層多糖の認識及び分解機構の解明とその感染症治療への応用
Project/Area Number |
12J02291
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中道 優介 京都大学, 農学研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | グリコサミノグリカン / リアーゼ / ヒドロラーゼ / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
グリコサミノグリカン(GAG)には、1,3グリコシド結合を有するピアルロン酸やコンドロイチンと1,4グリコシド結合のヘパリンやヘパラン硫酸が存在する。本年度は、細菌における1,4結合のGAGの認識と分解に関わる分子機構の解明に焦点を当て、ヘパラン硫酸リアーゼ(HepC)の立体構造並びに不飽和ヘパリンニ糖に特異性を示す不飽和グルクロニルヒドロラーゼ(UGL)の立体構造と基質認識機構を解析した。 [1] HepCの結晶構造 GAG資化細菌Pedobacter heparinusに由来するHepCの立体構造を明らかにした。HepCはα/α-バレルのN末端ドメインと逆平行β-シートのC末端ドメインから構成されており、活性部位はドメイン間のクレフトに存在することが示唆された。 [2] UGLによる不飽和ヘパリンニ糖の認識機構 P. heparinus由来の不飽和ヘパリンニ糖に特異性を示すUGL (Phep_2830)の立体構造を分解能1.35Åで決定した。不飽和コンドロイチンニ糖に特異性を示すUGLとの構造比較、ドッキングシミュレーション、並びに変異体解析により、Phep_2830における不飽和ヘパリンニ糖の認識には、活性部位のポケット構造とループが重要であることが分かった。 [3]ヘパリン/ヘパラン硫酸結合タンパク質の探索 ヘパリンをリガンドとしたカラムを用いて、連鎖球菌の細胞表層画分からヘパリン/ヘパラン硫酸に親和性を示す分子量約40,000の候補タンパク質を得た。 ヘパリンやヘパラン硫酸は、哺乳類を始めとする種々の動物の細胞外マトリックスに含まれるため、本研究成果は感染や共生などの細菌と宿主との相互作用機序の解明につながることが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(5 results)