2014 Fiscal Year Annual Research Report
芳香族カップリング反応による単結合生成を鍵とした新規多環式芳香族化合物の合成
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12J02319
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松野 太輔 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 助教
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 多環式芳香族化合物 / 単層カーボンナノチューブ / 分子ピーポッド |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,前年度までにその合成,分離,構造決定に成功したナノカーボンモデル分子に関して,(1) ナノカーボンモデル分子の構造の多様化,(2) 物性・構造のさらなる解析に主眼をおき研究を進める計画であった.本年度は,(1) 及び (2) の両面に関連する成果として,「π伸長した分子ピーポッド」の構築と構造解析を行った.前年度に合成を達成したπ系伸長有限長カーボンナノチューブ分子,[4]シクロ-2,8-アンタントレニレン([4]CA)とフラーレンからなるπ系伸長分子ピーポッドの構造と熱力学パラメータの解析を行い,チューブ長の伸長が会合挙動に与える影響を明らかにした.会合のエンタルピー変化は[4]CCと比較して負に大きな値となった.各種構造解析の結果,これはπ系の伸長によるC-C接触面積の増大,及びアルキル基とフラーレンのCH-π相互作用によるものであることが示唆された.また一方でCH-π相互作用によりアルキル基の配座が制限されることでエントロピー変化は負の値となり,会合定数と自由エネルギー変化は[4]CCとほぼ同等の値に留まった.ナノチューブ末端部の化学構造が内包挙動に際して重要な役割を果たすことを示すと同時に,超分子会合体の分子デザインに重要な示唆を与える結果であると考えている.さらにX線結晶構造解析及びNMR解析により,チューブ内部は非常に滑らかな表面をもち,内部のフラーレンが自由に回転していることを明らかにした.本研究によって,これまでに実験的検討がなされてこなかったカーボンナノチューブピーポッド形成における構造-熱力学相関に関する重要な知見が得られたものと考えている.
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)