2014 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造薄膜による空間的・時間的温度制御の実現とマイクロ流体駆動への展開
Project/Area Number |
12J02362
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
名村 今日子 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 金ナノ粒子 / マイクロ流体 / マランゴニ対流 / 薄膜 / 光熱変換 |
Outline of Annual Research Achievements |
1、成果の具体的内容:26年度は金ナノ粒子層/SiO2誘電体ナノコラム層/SiO2層/銀鏡面層を持つナノ構造薄膜の光熱変換を利用した流体駆動に関する研究を行った.薄膜上にレーザーを集光すると,そのレーザースポットはマイクロメートルスケールで位置を制御できる点熱源として利用できる.そこで,この熱源を使って流体駆動実験を行った.まず薄膜上に厚さ 50 μm の薄いセルを作製し,ポリスチレン球を分散させた水で満たした.レーザーを薄膜上に集光することで,セルの中に直径約 50 μm のマイクロバブルを発生させることに成功した.さらにそのマイクロバブル周辺でレーザーの照射位置を変化させたところ,バブルのまわりに mm/s オーダーの速さの急激なマランゴニ対流が発生した.このマランゴニ対流は2つの回転流を伴い,バブルと発熱位置との関係によって流れの様子を様々に制御できることがわかった.また発生する回転流は,粒子の収集,配列,分離など様々な用途に有用であることがわかった.この結果はApplied Physics Lettersから論文として発表し,各週の注目論文としてEditor’s picksに選出された. 2、意義と重要性:本研究はナノ構造薄膜の光学的・熱的特性を利用して,マイクロメートルスケールのフレキシブルな温度勾配制御を可能にした.さらに実際に温度勾配を使って mm/s オーダーの実用的な速さの流れを実験的に得ることに成功した.特に本研究でその有用性が明らかになったマランゴニ回転流は,ただ流体を駆動するだけでなく,粒子の収集や大きさによる分離など様々な機能を実現できることがわかった.本研究の結果はナノ構造薄膜の光熱変換特性を使って,熱によるマイクロ流体駆動の実用性を示したという点で重要である.
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(8 results)