2013 Fiscal Year Annual Research Report
多孔壁モデルを用いた風洞壁干渉の解明及び遷音速・高迎角に適する干渉補正法の確立
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12J02387
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
南部 太介 早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | 風洞試験 / 壁干渉 / CFD / ONERA-M6 |
Research Abstract |
昨年度は「遷音速・高迎角に適する新たな壁干渉補正法の開発」というテーマの第一段階として、二次元翼に対する風洞壁干渉の影響の検証を数値解析と開発した多孔壁モデルを用いて行った。本年度は第二段階として、三次元翼として有名なONERA-M6翼に対してONERAのS2MA風洞で行われた風洞試験を再現した数値解析を行い、三次元的な流れ場に対してどのような風洞壁干渉が起こるのか検証を行った。ONERA-M6翼はCFD (Computational Fluid Dynamics)の解析コードの妥当性検証の実験値として非常に有名であるが、一部の結果にどうしても数値解析と実験で一致しない部分があることが知られている。実験が行われたONERAのS2MA風洞はテストセクションの上下が多孔壁でできており、その影響が誤差の原因として疑われる。そこで、我々は風洞の壁も含めたONERA-M6翼の数値解析をCFDと我々で開発した多孔壁モデルで行い、その壁干渉の影響を明らかにした。風洞の壁を考慮しない従来通りの数値解析結果では翼面上に生じる衝撃波を正しくとらえることはできなかった。しかし、風洞の壁の影響を含めることで、実験値と同様な衝撃波構造を捉えることができた。また、壁干渉の影響は上下の多孔壁が支配的であることを確認した。壁が無い場合と壁がある場合の数値解析結果を比較することで、風洞の壁が流れのマッハ数と迎角にどのような影響を及ぼすのか検証を行い、その影響からどのように衝撃波構造が変化するのか物理的な考察を行った。風洞多孔壁による壁干渉はマッハ数と迎角を減少させる方向に働き、それらの空力係数への影響も明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究により、航空機で最も重要な三次元翼における壁干渉現象を把握することができた。よって来年度では、その知見から壁干渉補正法の高精度化・実用化をより高める改良に取り組めるものと思う。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、最終段階として航空機形態の風洞試験の壁干渉の現象把握に取り組む。またその知見を基にこれまでの壁干渉補正の高精度化、またより実用的になるような補正法の改良に取り組む。また、模型大きさ。・流れ場の条件をパラメータとして、壁干渉量のデータベース化に取り組む。
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Research Products
(1 results)