2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J02414
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野依 修 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | フィロウイルス / レセプター / 病原性 / 立体的遮蔽効果 / アポトーシス / Fas |
Research Abstract |
①フィロウイルスの細胞侵入機構の解明 当研究室が作出したモノクローナル抗体M224/1は、フィロウイルス感染を特異的に低下させる作用を有する。従ってM224/1はフィロウイルス特異的レセプターを認識している可能性があるため、標的蛋白質を同定することはフィロウイルス感染症の予防、制圧に向けた有用な知見となると考える。初年度の免疫沈降法によるアプローチを改め、昨年度は、Vero E6細胞のcDNAライブラリーを作成した。今後はM224/1の標的蛋白質をコードする遺伝子をスクリーニングする予定である。 ②フィロウイルスの病原性に及ぼす立体的遮蔽効果の影響解析 細胞間のシグナル伝達は宿主細胞が正常な感染防御を行う上で不可欠である。糖蛋白質(GP)の立体的遮蔽効果は宿主因子の機能を阻害し、フィロウイルス感染症における病態形成に関与している可能性が考えられる。そこで本研究ではFas分子を介するアポトーシスシグナルに対する立体的遮蔽効果の影響を解析した。その結果、Zaire種およびAngola株のGP発現細胞においてFas分子に対する立体的遮蔽効果が観察された。さらに、GP発現細胞においてアポトーシス誘導性の抗Fas抗体刺激によるアポトーシスシグナルが減弱することが分かった。また近年コウモリから検出されたEBOV様フィロウイルスであるLloviu virusのGP発現細胞においても同様にFas分子に対する立体的遮蔽効果が観察された。従って、GPによる立体的遮蔽効果はフィロウイルス感染細胞に広く共通する現象であると考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(5 results)