2014 Fiscal Year Annual Research Report
組成制御したハイドロキシアパタイト中の固溶元素の局所環境解析と生体機能構築
Project/Area Number |
12J02608
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
設樂 一希 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ハイドロキシアパタイト / 生体材料 / 溶解性 / Zn |
Outline of Annual Research Achievements |
ハイドロキシアパタイト(Hydroxyapatite; HAp)[Ca10(PO4)6(OH)2]は骨や歯の無機主成分であり,人工骨等の生体材料に利用されている.HApは固溶元素やCa空孔によりその生体材料特性が変化するため,これらを利用した特性の精密な制御が期待されている.本研究ではこのような特性の変化と,固溶元素やCa空孔の局所環境との関係を調査し,特性を制御することを目的とした. 当該年度は組成およびZnの局所環境を制御したHAp試料を作製し,生体特性の評価として溶解性試験とアパタイト形成能の評価を行った.結果の一例として溶解性の結果について記す.溶解量はZnの添加,無添加に関わらず,(Ca+Zn)/Pに対して直線的に変化しており,溶解性とCa欠損量に強い相関があることがわかった.これらの試料のうちZn添加試料に関して,ZnがCa空孔および格子間水素と会合して複合欠陥を形成していることを前々年度に明らかにしている.また,無添加試料についてはCa/Pの理想比からの低下はCa空孔によるものであることがわかっている.これらの結果から,溶解量の増大に対してCa空孔および格子間水素による影響が大きいことが示唆された. 一方,固溶元素により特性が変化する他の例として,Bi2O3が挙げられる.Bi2O3の高温相であるδ相は高い酸化物イオン伝導度を示すが,希土類元素の濃度に伴いイオン伝導度は大きく低下する.δ構造の固溶体について,系統的な第一原理分子動力学(MD)計算を行い,添加元素や酸素の局所環境やその合金濃度による影響を定量化した.MD中の角度分布関数を解析した結果,添加元素周囲の酸素の配位環境がC希土構造様に規則化し,それが酸化物イオン伝導の抵抗になっていることが示唆された.
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)