2013 Fiscal Year Annual Research Report
グルコース飢餓時におけるmRNA型長鎖非翻訳RNA発現のゲノムワイド解析
Project/Area Number |
12J02844
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小田 有沙 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | non-coding / RNA / antisense RNA / stress response / cellular biology / transcriptome / yeast |
Research Abstract |
真核生物で観察される長いノンコーディングRNA (lncRNA)が転写されている。このlncRNAは高等動物ほど多種多様であるため生物の複雑さを生み出すのに重要な役割を果たしていると考えられており、IncRNAは、発生や分化、ストレス応答などに関わると考えられている。しかし、lncRNAの詳細な機能や作用機構などは未だ明らかにされていない。本研究では単細胞真核生物で高等動物と近いゲノム構造を持つ分裂酵母を用いてグルコース飢餓ストレス応答性のlncRNAのゲノムワイド解析を行っている。これまでの研究で、分裂酵母ではlncRNAの一種であるmlonRNAが飢餓ストレスに応答してfbp1遺伝子周辺で転写され、このmlonRNAの転写に従い、段階的にクロマチン構造の弛緩がおこることが明らかにされてきた。本研究では分裂酵母におけるmlonRNAの普遍性を探ってきた。平成25年度は24年度に行ったグルコース飢餓ストレス応答におけるRNA-seq解析及びChIP-seq解析で得られたlncRNAが転写される複数の領域における詳細な分子生物学的な検証を行った。それらの領域に対しノザンプロットを行い、lncRNAの機能を改名することを試み、転写の活性化に関わるか否かを検証した。また、平成24年度に、見つかった領域の多くで、センスmlonRNAのみでなく、アンチセンスRNAの転写もみられたことから、mlonRNA及びアンチセンスRNAの転写がクロマチン構造の弛緩を通じてmRNA転写活性化を引き起こすという仮説を得たので、fbp1領域におけるアンチセンスRNAの機能の検証を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に置けるセンスのノンコーディングRNAのスクリーニングの課程で偶然に存在が明らかになったアンチセンスRNAが、ストレスに応答して厳密に制御をうける興味深い挙動を示すことが、追加的な実験により証明されつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度中に24-25年度に得られたデータを投稿論文としてまとめる。また、分裂酵母以外の種におけるストレス応答性のlncRNAの保存性についても解析を行う。本研究においてあきらかになりつつある可逆的な生物現象におけるlncRNA制御を定量的に解析し、モデル化することを目指している。
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Research Products
(4 results)