2014 Fiscal Year Annual Research Report
メタラサイクルを活性中間体として活用した新形式有機合成反応の開発
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12J03022
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
森 崇理 長崎大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ニッケル / 有機ホウ素 / 有機アルミニウム / オキサニッケラサイクル / アザニッケラサイクル / ニッケラシクロペンテン / 炭素―炭素結合切断 / ホモアリル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,オキサニッケラサイクルおよびアザニッケラサイクル活性種を発生させ触媒的合成反応に応用する手法を確立することである。当該年度も本目的に主眼をおいて研究を実施し,国際的な学術誌にて研究成果を発表した。 1. アザニッケラサイクルを活性種とする多成分連結反応の立体化学制御(論文リスト1) 単糖類などのポリヒドロキシ環状ヘミアセタールとアミンによって形成されるN,Oアセタール,イソプレンをNi触媒およびEt3B共存下において反応させた。その結果,鎖状のホモアリル化生成物を1,3-Syn選択的に得られた。これらの選択性は,アザニッケラサイクル中間体の立体構造に起因する。つまり,アザニッケラサイクルの立体構造チューニングによって立体化学制御が可能であることを初めて明らかにした。 2. ニッケラサイクルおよびオキサニッケラサイクルの反応経路制御(論文リスト3) Ni触媒,アルキン,ジケテンおよび種々の有機金属を用いることで,不飽和カルボン酸および置換フェニル酢酸の選択的合成を達成した。それに加え,1)ニッケラシクロペンテンの電子構造チューニングにより,炭素-炭素結合切断を鍵とするオキサニッケラサイクルへの異性化反応制御の確立,2)オキサニッケラサイクルが起こす,カルボニッケレーション/トランスメタル化段階のコントロール法の確立を達成した。つまり,活性種の電子的性質のチューニングにより,完全な反応経路制御が可能である。これらの研究成果は,不飽和炭化水素が示す多彩な反応を制御し,多様な生成物を選択的に合成するという有機合成化学の究極の目的の一つを達成する契機と成り得ることから極めて重要な知見となった。 3年間の研究実施画は当初の予定より早く達成でき,研究計画に関連する成果として国際的な学術誌に6編の論文を執筆した。また,研究計画を遂行する過程で得られた研究計画以外の成果として国際的な学術誌に2編の論文を執筆した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(18 results)