2012 Fiscal Year Annual Research Report
DNAを用いた金ナノ粒子の3D規則配列とファノ共鳴効果
Project/Area Number |
12J03072
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
王 国慶 北海道大学, 大学院・総合化学院, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | DNA / Fano resonance / Plasmonic nanostructures / self assembly / Ag nanoparticles / Photocatalysis / Ag/AgCl nanostructures |
Research Abstract |
本研究は、金属ナノ粒子をDNAで修飾し、DNAのハイブリダイゼーションを利用してナノ・クラスター構造を構築することを目的としている。金属のナノクラスター構造は、ラマン散乱や蛍光を増強する効果が報告されており、ナノクラスター構造を制御することで高感度センサーとしての応用が期待できる。また、金属のナノクラスターはファノ共鳴効果を備えていることもFDTD計算によって証明されている。ナノ粒子間距離がファノ共鳴効果へ与える影響について調べることは科学的な面からも重要である。 そこで、本年度は計画通り「ナノクラスター構造を形成するためのDNA提示金属ナノ粒子の合成」に取り組んだ。さらに、「DNAのハイブリダイゼーションを利用した2種の金属ナノパーティクルの集合体形成」について実験を行った。 (1)DNA提示金属ナノ粒子の合成では、塩化銀懸濁液に一本鎖DNAを添加し、紫外線を照射することによってone-stepで銀ナノ粒子を合成することに成功した。DNAの塩基の種類、pHやNaCl濃度の検討を行い、銀ナノ粒子のサイズ制御について調べた。また、反応の動力学解析を行うことによって反応メカニズムの追求を行った。DNA以外の高分子を用いた場合と比較し、DNAを用いると単分散かつ安定性が高い銀ナノ粒子が形成できることがわかり、銀ナノ粒子の形成方法として非常に有用な方法であることを明らかとした。また、形成した銀ナノ粒子は使用したDNAを表面に提示していることも確認できた。 (2)(1)で検討した条件を基に、サイズの異なるDNA提示銀ナノ粒子を用いてナノクラスター構造の形成について検討を行った。融点測定の結果から、DNAのハイブリダイゼーションによって集合体が形成されていることが確認され、粒子間距離を制御したナノクラスター構造の形成への基礎技術が確立できた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、金属ナノクラスター構造を形成するためのDNA提示銀ナノ粒子の形成とハイブリダイゼーションを利用した集合体形成に成功しており、ほぼ計画通りに進行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
集合体形成にDNAを用いた場合、DNAの配列を制御することによってナノ粒子間距離を制御することが期待できる。そのため、今後は、引き続き北海道大学居城教授のご指導のもと金属ナノクラスター集合体の距離の制御などを行いながら、プラズモンや光学的な機能の効果的な発現などについて、カリフォルニア大学Riverside校のYadong Yin教授の協力を得ながら検討を行っていく予定である。
|
Research Products
(6 results)