2014 Fiscal Year Annual Research Report
動物のパーソナリティに関する進化生態学的研究-生態から分子に至るまで
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12J03363
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中山 慧 九州大学, 理学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | パーソナリティ / 遺伝相関 / 活動量 / 生活史形質 / 次世代シーケンサ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、コクヌストモドキの擬死選抜系統間でのゲノム塩基配列の比較を、次世代シーケンサを用いて行うことを予定していた。具体的には、バルク解析と呼ばれる、数十個体の混合サンプルを一つのサンプルとして、系統間で高い割合で固定されている配列の違いを検出するという方法を計画した。しかし、解析のために外部業者に送るDNAサンプルの調合に苦戦し、結果的に、解析を推し進めることはできたが、本来の目的の論文投稿までは遂行することができなかった。 一方で、遺伝子解析に並行して新たに行った、ヒラタコクヌストモドにおける生活史形質の系統間比較では、一部で非常に興味深いデータが得られた。すなわち、L系統とS系統とで種々の生活史形質を比較したところ、L系統では、メスの産卵前期間(成虫になってから最初の卵を産むまでの期間:8.9日)がS系統のそれ(9.2日)に比べて有意に短かった。これは、L系統では普段の活動量が低く、余ったエネルギーが繁殖にまわされやすいことに因ると推測される。そのほかにも、寿命や生涯産卵数についても調査を行ったが、本種の寿命は非常に長く(数カ月から長いもので一年近い)、結果的に全ての項目を期限内で終了することはできなかった。動物のパーソナリティに関する研究において、パーソナリティと生活史形質との関連は非常に注目されているトピックスであるだけに、これについては今後も可能な限り調査を続行したい。 最後に本年度は、初年度に英国リヴァプール大学(Greg Hurst研)で行った研究が、無事、遺伝学分野の国際紙(Heredity)に受理された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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