2012 Fiscal Year Annual Research Report
システム製品の市場における排他的契約と競争構造に関する理論的・実証的研究
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12J03397
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
善如 悠介 神戸大学, 経営学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 互換性 / 製品ライフサイクル / マーケットシェア / ロイヤリティ契約 / 交渉解 / プラットフォーム選択 |
Research Abstract |
交付申請書の本年度の研究実施計画には、これまでの研究をまとめることと、新たなモデル分析を行う予定とした。以下に記している本年度の研究実績は(1)が前者に、(2)が後者に対応している。 1,プラットフォームビジネスにおけるコンポーネント間の互換性 プラットフォーム企業が自社のマーケットプレイスをより開かれたものにする(互換戦略)か否かという意思決定に立たされた時、その決定に影響を与えるものを考えた。具体的には、製品ライフサイクルと企業のマーケットシェアに注目して、企業のこのような決定をゲーム理論を用いて分析した。 本研究のように互換性に関する企業の意思決定を内生的に扱った研究はなく、その点で当該分野の研究に貢献できたと考えている。 この研究については、"Compatibnity and the Product Liie Cycle in Two-Sided Markets"という論文の作成に取り組み、10月に九州産業大学で行われた日本経済学会の秋季大会のポスターセッションにて報告すると共に、査読付学術専門誌'Review of Network Economics'に投稿し、2012年12月に受理され、近いうちに刊行される予定である。 2,ロイヤリティレートの決定とプラットフォーム選択 コンテンツプロバイダーによるプラットフォーム選択に注目した研究を行った。複数のプラットフォームにコンテンツを提供することをmulti-homingと、単一のプラットフォームにのみ提供することをsingle-homingと呼ぶのだが、これらの選択問題をプラットフォームとコンテンツプロバイダーとの間の交渉力に注目して分析を行った。具体的には、交渉力が変化することによって、両者の間に設定されるロイヤリティ・レートも変化する。その変化が、コンテンツプロバイダーが行うプラットフォーム選択にも影響を与えるというものである。 この研究は、現在、論文としてとりまとめ、投稿する準備段階にある。 また2で記載した研究内容は、交付申請書に記載したものと若干異なるものだが、交付申請書に記載した研究を行なっていた途中に得られた結果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書の本年度の研究計画とは、若干異なる研究になってしまったが、予定していた内容よりも興味深い結果が得られたと考えている。また、大きな目で見ると交付申請書の研究の目的からは決してそれていないため、研究の進展に問題があるとは考えていない。 業績の方でも、学会・ジャーナルそれぞれに貢献することができたことも計画どおり進んでいると言える。ただ、海外の学会での報告機会を得ることができなった点を考慮して、(1)ではなく(2)とした。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度は、今年度の研究を行う中で出てきた問題のひとつである。「プラットフォーム市場における、コスト削減投資が与える影響」についての理論分析を行いたいと考えている。費用削減投資の有効性と政府による補助の必要性について、興味深い研究が行えるものと考えている。 また、これと並行して、「9,研究実績の概要」の中の2で述べた研究を学会・ジャーナルに投稿することも同時に進めて行きたいと考えている。
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Research Products
(1 results)