2013 Fiscal Year Annual Research Report
環境計測用としての高性能固体電気化学式ガスセンサの開発
Project/Area Number |
12J03445
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐藤 伴光 九州大学, 産学連携センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 安定化ジルコニア / 酸化スズ / カーボン / アンモニア / 窒素酸化物 |
Research Abstract |
本研究は、高度な環境計測用ガスセンサの構築を最終目標とし、酸化物系薄膜材料の探索と材料の微細構造の制御、およびその電気化学特性の評価・検討を行うものである。今年度は、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を主構成材料に用いた固体電解質型ガスセンサについて、センサ構造の制御や新規的な検知極材料の探索を行うことで以下のような結果を得た。 SnO_2ディスクを検知極として用いたYSZ素子について、SnO_2/YSZ界面へのAuの形成によるガス検知特性への影響を調べた。SnO_2ディスク表面にAuをスパッタにより形成することで、他ガスに対する感度は大幅に低下した一方でNH_3に対する感度は増加したため、NH_3選択性を改善することに成功した。本素子は10~250ppmの種々の濃度のNH_3に対して良好な応答性を示し、NH_3濃度の対数値と感度の間に良好な直線性が見られた。次に、本素子のガス検知メカニズムについて検討を行うために、SnqディスクおよびSno_2ディスク/Au検知極素子の分極曲線を測定した。その結果、Auの存在によりNH_3に対するアノーディク活性が特に大きく増加しており、これによってNH_3感度が大幅に増加したことが分かった。 カーボンを検知極材料としたYSZセンサについて検討を行った。まず、種々のカーボンについてガス検知特性の検討を行ったところ、中でも活性炭検知極素子は、NO_2にのみ選択的に応答するという優れた特性を示した。本素子は、2.5ppmという低濃度のNO_2を検知可能で、測定を行った14日間は比較的安定したNO_2感度を示した。次に、本素子のガス検知メカニズムについて検討を行うために、N_2中において分極曲線を測定したところ、NOにはほとんど活性を示さなかった一方NO_2に対して高い活性が得られた。よって、本素子では、検知極/YSZ界面においてNOよりもNO_2に対して電気化学的反応が優位に進むことで良好なNO_2選択性が得られることを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(8 results)