2014 Fiscal Year Annual Research Report
三次元潜水中の発声行動を考慮した受動的音響観察による鯨類の保全管理
Project/Area Number |
12J03578
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木村 里子 名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 受動的音響観測 / 小型鯨類 / 生態 / 保全 / 水中生物音響 / 資源量推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、受動的音響観測システムによって、鯨類の生息域の時間的、空間的利用特性を把握し、個体数密度を推定する、手法の確立を目的とする。生息域の時間的、空間的な利用特性から、対象動物が「いつ」「どこで」「何を」しているのかを把握でき、個体数密度から、「どのくらい」いるのかがわかる。これを達成できれば、対象水域を音響的にモニタリングするだけで、定量的な資源管理を簡便に実施でき、効果的な保全に資することができる。 当該年度は、沿岸域に生息し人間との軋轢から絶滅が危惧される二種の小型鯨類を対象とし、音響データを収集すること、解析を進め成果をまとめることの二点を目指した。調査を実施したのは伊勢湾三河湾(対象種スナメリ)、中国内陸の揚子江(対象種ヨウスコウスナメリ)の二水域である。 伊勢湾・三河湾では、平成24年度より実施している曳航音響観測調査をおこない、スナメリ鳴音のデータを収集するとともに検出個体数を計数した。今後解析を進め、統計処理をし、論文を執筆する予定である。 中国揚子江で取得したデータを用いて、音響手法だけを使って個体数推定に重要な検出確率を算出する手法を論文にまとめ、Journal of Acoustic Society of America誌に受理された( 135, 3364-3370)。本結果は学会The 8th Annual Meeting of Asian Fisheries Acoustics Societyでも発表した。また、揚子江中流域に接続する巨大淡水湖、ポーヤン湖の中央ラインを繰り返し調査した結果、揚子江本流より高い密度でスナメリが分布することがわかった。本結果は、Marine Mammal Science に論文として発表した(Published Online)。 また、近年全国でさかんになってきたフィールドにおける海産哺乳類研究の知見を共有するため、北海道大学においてフィールド系海棲哺乳類研究workshopを開催した。伊勢湾・三河湾のスナメリの生態について口頭発表をおこなった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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