2014 Fiscal Year Annual Research Report
後期インド密教におけるタントラの成立と流派形成の研究-ヘーヴァジュラ系を中心に-
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12J03646
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松村 幸彦 東北大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | サロールハヴァジュラ / ヴァジュラプラディーパ / ヘーヴァジュラタントラ / 観想法 / ヘーヴァジュラサーダノーパーイカー |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の研究計画に変更を加え、前年度に引き続き、サロールハヴァジュラ著『ヘーヴァジュラサーダノーパーイカー』の解析作業をさらに進め、『ヘーヴァジュラマンダラカルマクラマヴィディ』(チベット語訳のみ現存)の翻訳作業、そして『ヘーヴァジュラサーダノーパーイカー』の註釈書であるジャーランダリ著『ヴァジュラプラディーパ』のサンスクリット写本の校訂、それを用いた翻訳作業を進めた。『ヴァジュラプラディーパ』に関しては、まだ入手出来ていない写本が存在するが、すでに入手済みのいくつかの写本を用いて作業を行った。 『ヴァジュラプラディーパ』は、『ヘーヴァジュラサーダノーパーイカー』の註釈書という形をとっているが、内容としては註釈というよりもジャーランダリ自身の説く成就法という側面が色濃く出ている。しかし、『ヘーヴァジュラサーダノーパーイカー』の基本構造を明らかにし、サロールハヴァジュラの儀礼等とジャーランダリの説く儀礼などとの関わりを考察する上でも非常に重要なテキストであり、本研究を進める上でも必要不可欠な作業である。この成果は平成27年度に学会で発表し、論文として投稿予定である。 また、上記の作業と並行して、サロールハヴァジュラの著したヘーヴァジュラタントラ註『ヘーヴァジュラティッパニー』のチベット語訳の翻訳作業も行った。このテキストは、サロールハヴァジュラの説くヘーヴァジュラ系の儀礼などを明らかにするためにも重要なテキストの一つである。同書にはサンスクリット写本が存在し、それを現在入手している最中である。入手出来次第、チベット語訳等と照らし合わせながら、校訂・翻訳作業に速やかに取り掛かる予定である。以上の作業の成果については、今後随時発表する予定である。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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