2012 Fiscal Year Annual Research Report
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12J03800
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坂井 玲太郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 直交格子法 / 埋め込み境界法 |
Research Abstract |
本年度は直交格子法を用いた高レイノルズ数流れ解析を実現するため、埋め込み境界法に基づく壁面乱流モデルの導入を行い、定常流と非定常流の解析を通じて検証を行った。また移動物体問題への対応として埋め込み境界法を拡張し、振動円柱とピッチング運動する翼型の検証計算を通じてその効果を確認した。 高レイノルズ数流れでは境界層が薄くなることから、直交格子法の階段状近似の影響が顕著に現れ、解は正しくならない。この影響を取り除くために、物体境界を挟む物体内外の格子点について適切な物理量を代入し、滑らかな物体形状を再現する壁面乱流モデルを開発した。レイノルズ平均ナビエ・ストークス方程式に基づくRANS解析(定常解析)、および粗視化ナビエ・ストークス方程式に基づくLES(非定常解析)の双方において壁面乱流モデルを導入し、いずれの解析においても有効性を確認した。 移動物体問題においては、物体移動に伴って出現・消失する格子点に対して、単純に流体・物体フラグを切り替えるだけでは物理量の振動が発生してしまう。そこで、適切な速度を補間により代入することで、流れ場の振動を抑えながら物体を移動させる手法を導入した。2次元振動円柱周りの流れ、およびピッチング運動する翼型周りの流れを計算した結果、円柱ではその振動数に応じて後流の流れ場の様相が変化することを確認するとともに、翼型では圧力係数の時間履歴に特有のヒステリシスループが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
壁面乱流モデルを開発し定常流と非定常流の双方において有効性を確認した。さらに移動物体問題を取り扱う手法を導入し基礎的な知見を得た。構造解析手法の構築までは至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
壁面乱流モデルは基本的な流れにおいて有効性が確認できたことから、今後はより複雑な流れ場でも検証し、有効性を確認するとともに実用化を進める。移動物体問題については、現在の適用範囲が低レイノルズ数領域にとどまっていることから、今後は高レイノルズ数流れについて検証を進めるとともに、構造解析手法とのカップリングを目指す。
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Research Products
(1 results)