2014 Fiscal Year Annual Research Report
プラズモニックアレイによるナノ空間光マニピュレーション
Project/Area Number |
12J03862
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 嘉人 関西学院大学, 理工学部, 研究特別任期制助教
|
Keywords | 金属ナノ構造 / 光放射圧 / プラズモントラッピング / 局在プラズモン / ナノマニピュレーション / ヒートシンク / 半導体ナノ構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
プラズモン共鳴を励振する際に生じる局所温度上昇は、微粒子のプラズモントラッピングにおける安定性を考える上で極めて重要であることがら、本年度は1. 熱伝導性の高い基板をヒートシンクとして用いる方針と、2. プラズモニックナノ構造に代わって、高屈折率を持ち誘電体の虚数が小さい半導体ナノ構造を用いる方針で課題克服に向けて取り組んで来た。1. について具体的には、熱伝導性がガラスの数十倍高いサファイアを基板として用い、これまでと同じように電子線ビームリソグラフィ/リフトオフ法によってナノ構造を作製し、SEMやAFMによって形状を、顕微分光によりプラズモン共鳴特性を、近接場顕微鏡により光局在場分布を評価し、シミュレーションで用いたモデルと極めて近い形状・特性を得る事ができた。サファイア基板上金ナノブロックペアを用いて100nm粒子のプラズモントラッピングをしたところ、ガラス基板を用いた場合と比べナノ粒子の位置揺らぎが1/5まで抑えることが可能であることを明らかにした。次に、2. についてSiやGaPのナノブロックペアを対象に可視光照射に伴う局所温度上昇を計算によって見積もったところ、Siナノ構造については金を使った場合に比べ1/100の温度上昇、GaPナノ構造については誘電率の虚部がゼロのため全く温度上昇しないということを見出した。SiやGaPナノ構造で生じる局在場が微粒子捕捉で働く放射圧をMaxwell応力法によって計算したところ、金を使った場合にくらべ1/3程度になることがわかり、金ナノ構造を使った場合より3倍以上の光照射をすれば放射圧の大きさを同程度に保ちながら、局所温度上昇の影響をかなり抑えることができる可能性を示す事ができた。
|
Research Progress Status |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
|
Research Products
(5 results)