2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J04117
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平松 亮 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | スピントロニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではスピントランスファートルクによる磁壁内の磁気モーメントの歳差運動(磁壁回転)を利用した高周波発振の実証を目的としている。本年度は、電流誘起磁壁回転運動によるマイクロ波発振の研究と、磁場印加による磁壁対消滅を利用したジャロシンスキー・守谷相互作用(DMI)の大きさの見積りの実験による検証を行った。 本年度は磁壁を局在するための構造としてホールクロス構造を利用した。初年度でも同様にホールクロス構造を用いているが、初年度では電流のみによる磁壁回転の直接観測を試みた。本年度は電流と磁場が磁壁を反対方向に駆動させるように印加した時の磁壁ダイナミクスを調査した。 研究代表者は直流電流を印加した状態で、スピントランスファートルクと反対方向に磁壁を駆動する方向に磁場を掃引することで、デピニング磁場以上の広い磁場範囲で磁壁がホールクロス内に局在する特異な挙動を示すことを見出した。この現象を解明するために、1次元細線中の磁壁運動方程式およびマイクロマグネティックシミュレーションを用いた数値解析を行った。その結果、磁壁がホールクロス内に局在している状態で定常的な磁壁回転が誘起されたことを明らかにした。この結果は、磁壁が局在している状態での磁壁回転を初めて実証したものである。 また研究代表者は、磁壁対消滅磁場とDMIの関係を実験的に明らかにすることを目的に研究を行った。研究代表者はマイクロマグネティックシミュレーションを用いた解析から、360°磁壁構造が磁場によって対消滅する磁場の大きさとDMIの大きさに相関があることを報告した。実験による実証のために、1つの磁壁をホールクロス入り口にピン止めした状態で、2つ目の磁壁を生成し、磁場によって近づけることを行った。その結果、2磁壁はデピニング磁場程度の磁場によって対消滅し、安定構造である360°磁壁構造を形成していないことが分かった。その原因として、磁場によって磁壁内にブロッホライン構造が形成されたことや、磁壁面が粗くなったことを考えている。
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Research Progress Status |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] Localized precessional mode of domain-wall controlled by magnetic field and dc current.2015
Author(s)
R. Hiramatsu, K-J. Kim, T. Taniguchi, T. Tono, T. Moriyama, S. Fukami, M. Yamanouchi, H. Ohno, Y. Nakatani, and T. Ono
Organizer
Symposium on Surface and Nano Science 2015
Place of Presentation
Furano, Hokkaido
Year and Date
2015-01-15
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[Presentation] Observation of metastable bound state between domain walls in asymmetric Co/Ni nanowire.2014
Author(s)
R. Hiramatsu, K-J. Kim, H. Hata, T. Taniguchi, H. Tanigawa, E. Kariyada, T. Suzuki, Y. Nakatani, T. Moriyama, and T. Ono
Organizer
IEEE International Magnetics Conference 2014
Place of Presentation
Dresden, Germany
Year and Date
2014-05-05