2013 Fiscal Year Annual Research Report
ミラーセラピーの脳内神経機構の解明と電気刺激を用いた新たな治療法の効果検証
Project/Area Number |
12J04220
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
稲垣 侑士 北海道大学, 大学院医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ミラーセラピー / 筋電駆動型電気刺激 / 運動観察 / 運動錯覚 / ミラーニューロン / fNIRS |
Research Abstract |
1. 健常若年者に対する鏡による視覚入力と電気刺激による求心性フィードバックの効果 機能的近赤外線スペクトロスコピー装置(fNIRS)を用い、若年者における効果を検証した。fNIRS研究では、計測プローブのセッティングにおける妥当性について問題となっている。そのため、本研究では全被験者のMRIを撮像し、Fusion software (Shimadzu)を用い、プローブの位置と個人脳を重ね合わせることで妥当性の問題を解消した。この研究では、一側上肢を動かしながら、その運動の鏡像を観察することで、運動肢と同側感覚野が賦活した。また、筋電駆動型電気刺激装置を用い、両側の運動を可能にした上で、一側上肢の動きと鏡像を観察した場合、運動肢と同側運動野、縁上回が賦活した。この結果から、鏡像の観察が運動観察の効果を惹起し、ETESを組み合わせることで運動観察の効果と運動錯覚の効果を惹起すると考えられる。鏡像の観察と電気刺激による求心性効果が互いに干渉せず、相乗効果を引き起こした。視覚入力とそれに同期した求心性入力が脳に与える影響について重要な知見を示した。 2. 健常高齢者に対する鏡による視覚入力と電気刺激による求心性フィードバックの効果 上記の研究と同じ方法で、高齢者における効果を検証した。その結果、鏡像の観察と電気刺激を組み合わせた場合、運動肢と同側の脳半球で感覚野、運動野、縁上回、角回、上側頭回、中前頭回、中後頭回が賦活した。この結果は、下前頭回、縁上回、上側頭回に存在するミラーニューロンシステムの関与を示唆する。また、若年者より固有感覚機能が低下した高齢者の場合、鏡像の観察と電気刺激を組み合わせることで、運動観察と運動錯覚の効果が増大すると考えられる。このことは、健常者より固有感覚機能が低下した脳卒中患者において運動観察と運動錯覚の効果をさらに増大させることを示唆する。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(4 results)