2013 Fiscal Year Annual Research Report
核酸認識分子RBM3及びHMGB1による免疫・発がん機構の解析
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12J04258
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松田 淳志 東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | HMGB1 / RBM3 / 自然免疫 |
Research Abstract |
HMGB1はこれまで、核内においてクロマチン構造の安定化や転写調節に関与してきたことが知られているが、近年、炎症性刺激や細胞死に伴って細胞外に放出・分泌され、炎症メディエーターとして機能する他、細胞質においてウイルス核酸の認識に寄与することも報告されている。しかしこれまで個体レベルでのHMGB1の機能解析は行われてこなかったことから、本研究ではHMGB1コンディショナルノックアウトマウスを作製し、in vivoにおけるHMGB1の機能を解析した。メラノーマ細胞を移入すると肺に定着しコロニーを形成するが、このマウスに移入したところ、コロニー数が野生型と比して減少していることがわかった。詳細なメカニズムは不明であるため今後解析を進めていく予定であり、HMGB1のがんの排除における役割が明らかになるものと期待できる。また、HMGB1は炎症に関わることから、マクロファージにおいてHMGB1を欠損したマウスにLPSを投与したところ、野生型に比して高感受性を示すことがわかった。このマウスでは血中IL-1β, IL-18量が有意に増加していた。マクロファージにおいてオートファジー形成能が減弱しており、オートファジーがインフラマソーム活性を抑制することでLPS誘導性ショック時のIL-1β, IL-18産生量を抑制していることが示唆された。今後はこのような系を用いた検討を通じて、HMGB1を標的とした炎症性疾患・自己免疫疾患の治療応用に向けた分子基盤の確立を目指すと同時に、治療薬の開発応用に繋がることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
これまで解析が行われてこなかったHMGB1のin vivoにおける機能解析が、本研究におけるHMGB1コンディショナルノックアウトマウスの作製によって可能となった。今後は発がん・炎症性疾患などに関わるHMGB1の役割の解析が進むものと期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き、HMGB1コンディショナルノックアウトマウスを用いたin vivoにおけるHMGB1の自然免疫応答・発がんにおける役割を解析して行く予定である。マクロファージだけではなく、様々な細胞・組織でHMGB1を欠損させて解析する他に、メラノーマ転移実験からは表現型の結果のみを得た段階であるため、引き続き詳細なメカニズムを追究していく予定である。
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Research Products
(4 results)