2014 Fiscal Year Annual Research Report
核酸認識分子RBM3及びHMGB1による免疫・発がん機構の解析
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12J04258
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松田 淳志 東京大学, 生産技術研究所, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | HMGB1 / コンディショナルノックアウトマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
HMGB1はこれまで、核内においてクロマチン構造の安定化や転写調節に関与してきたことが知られているが、近年、炎症性刺激や細胞死に伴って細胞外に放出・分泌され、炎症メディエーターとして機能することが報告されている。これまでコンベンショナルなノックアウトマウスは生後間もなく死亡することがわかっていたため、本研究ではタモキシフェン依存的にHMGB1を全身性に欠失するコンディショナルノックアウトマウスを作製し、in vivoにおけるHMGB1の機能を解析した。このマウスにLPSを投与し、LPS誘導性エンドトキシンショックモデルを検討したところ、野生型に比して血中HMGB1量は有意に減少しており、また血中IL-1β量が有意に増加していた。このことから、このマウスでは炎症が亢進していると考えられた。しかしながら、生存率に差は無く、LPS投与モデルで傷害を受ける臓器の一つである肺においてCD11b陽性細胞が野生型に比して減少していることがわかった。さらにこの原因を追究するため、CD11b陽性細胞自体の遊走性に異常がある可能性、肺におけるケモカイン産生量に異常がある可能性、そして細胞外HMGB1がCD11b陽性細胞の浸潤に関与している可能性の3つを考え、検討を行った結果、1,2番目の可能性について、異常は認められなかった。このことから、血中HMGB1量が減少したことが原因である可能性が考えられた。詳細は現時点では明らかではないものの、実際にrHMGB1を投与したマウスの臓器ではCD11b陽性細胞の浸潤が見られた。以上の結果から、LPS投与モデルにおいてHMGB1には炎症を亢進させる機能と抑制する機能の両方があることが考えられた。以上の研究を通じてHMGB1の炎症における分子基盤を解明するだけではなく、HMGB1をターゲットとした創薬に繋がることが考えられ、今後の解析が期待される。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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