2014 Fiscal Year Annual Research Report
腸管の腫瘍形成過程における情報伝達分子の生体内FRETイメージング
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12J04268
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
櫻井 敦朗 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 腸上皮幹細胞 / クリプト培養 / Wnt経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はWnt経路と腸上皮組織の恒常性維持の関係を調べた。そのためにWnt経路の活性化をモニターできる7xTOP-mCherryベクターを作成し、腸上皮幹細胞(CBC stem cell)でGFPを発現するLgr5-EGFPマウスから単離したクリプトにレンチウイルスで導入することで幹細胞とWnt経路の活性化を可視化することに成功した。 CBC stem cellをマークするLgr5はWnt経路のターゲットであり、CBC stem cellはWnt経路が活性化しているためmCherryを発現すると予想していたが、実際にはEGFPとmCherryの発現は互いに排他的なパターンを示した。FACSによりLgr5-TOP-、Lgr5+TOP-、Lgr5-TOP+、Lgr5+TOP+を分取し、幹細胞マーカーや分化マーカーの発現を調べたところ、Lgr5-TOP+の細胞はLgr5でマークされるCBC stem cellとは異なる幹細胞集団である+4幹細胞のマーカーや分化した細胞のマーカーをよく発現していることが明らかとなった。 次に、上記4種類の細胞群の幹細胞性を調べるために、FACSした細胞を再び培養し、コロニー形成効率を計測した。その結果、Lgr5+TOP-では効率よくコロニーを形成したが、その他の細胞群ではほとんどコロニーを形成しなかった。 以上の結果から、CBC stem cellよりも他の細胞種でより強くWnt経路が活性化していることが示唆された。そして、これらの細胞はCBC stem cellとは異なり幹細胞性を持たない分化した細胞であることが示唆された。 本研究は初めて生きたクリプトでWnt経路の活性を可視化したものであり、腸上皮におけるWnt経路の新たな役割を解明する一歩となると考えている。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)