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2012 Fiscal Year Annual Research Report

ヒト白血球抗原によるHIVゲノムの多様性獲得の研究

Research Project

Project/Area Number 12J04376
Research InstitutionKumamoto University

Principal Investigator

近田 貴敬  熊本大学, エイズ学研究センター, 特別研究員(DC1)

KeywordsHIV-1 / HLA class I / 逃避変異 / シークエンス / HLA-associated polymorphism / コホート / CTL
Research Abstract

本研究はHIV-1のゲノムを解析することでHLA-associated polymorphism(HLA-AP)の経時的変化を明らかにし、さらにHIV-1の逃避変異に応答するCTLの解析を行うことにより、ヒトの免疫応答から逃れようとするHIV-1の進化とHIV-1に対する免疫反応の多様化が起きていることを証明することを目指している。
本年度の研究として、まずHIV-1のアミノ酸解読の対象とする日本人HIV-1慢性感染者を470名まで増やし、HIV-1タンパク質Gag、PolおよびNefのアミノ酸配列の解読を行った。対象とした検体470名中430名がHIV-1 subtype Bであった。得られたHIV-1 subtype Bのアミノ酸配列(Gag:397名、Pol:363名、Nef:306名)および各検体のHLA.class I型により、PhyloDプログラムによってHLA-APを調べたところ、Gag、Pol、Nef領域にそれぞれ94個、86個、104個の計284個のHLA-APを同定することができた。さらに、Gag、Pol、Nef領域におけるHLA-APの蓄積と臨床データとの相関関係を調べた結果、Pol領域のみでウイルス量と負の相関関係が見られた。これまでの研究ではGag領域におけるHLA-APと臨床データに相関があるという報告があるが、本研究の結果が、日本人コホートにおけるHLA-APがHIV-1に対して独自の影響を持っていることを示唆する重要な情報であると考えられる。
また、ベプチド結合領域外にアミノ酸配列の違いを持つHLA-Cw*03およびCw*14のサブタイプ間でHLA-APを比較したところ、それぞれと関連するHLA-APは大きく異なっていた。続いて、本研究で同定されたHLA-APを、Caucasianを対象とした大規模なコホートの一つであるIHACコホートと比較した。その結果、両コホートに共通して分布しているHLA型に関連していたHLA-APのうち約46%が、IHACコホートでも同定されていたものの、共通して分布しているHLA型に関連するHLA-APのうち約半数が異なっていた。これらの結果は、HLA class I分子以外にHLA-APの選択に影響を与える未知の因子が存在している可能性を示唆しており、このことはヒトの免疫応答から逃れようとするHIV-1の進化の機序の解明に重要な情報であると考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

計画されていた通りに日本人HIV-1 subtypeB慢性感染者の検体数を増やすことができ、Gag、Pol、Nef,それぞれの遺伝子領域のアミノ酸配列の解読を十分に行うことができた。その結果、284個ものHLA-associated polymorphismを同定することができた。また当初予定していたエピトープ同定は行っていないものの、2年目に予定されていた他コホートとの共同研究をすることができたため、本研究はおおむね順調に進展していると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

本年度の日本人HIV-1慢性感染者を対象とした詳細なHLA-associated polymorphismの解析により、HLA class I分子以外にHLA-associated polymorphismの選択に影響を与える未知の因子が存在している可能性が示唆された。
そのため、今後、感染者の細胞傷害性T細胞の機能解析やHLAclassI分子の発現量を詳細に調べ、さらにIHACコホート等、他のコホートとの比較解析をし、HLA-associated polymorphismの選択に影響を与える因子を調べる予定である。
さらに今年度の研究によって同定されたHLA-associated polymorphismの情報を基にして、新規のエピトープ同定を試み、またそれらのHLA-associated polymorphismが逃避変異であるかどうかを調べる予定である。一方で、HLA.-associated polymorphismの時系列解析を進めていく予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2012 Other

All Presentation (3 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] 日本人慢性HIV-1感染者におけるHLA-Associated Polymorphismの解析2012

    • Author(s)
      近田 貴敬
    • Organizer
      第60回日本ウイルス学会学術集会
    • Place of Presentation
      グランキューブ大阪(大阪市)
    • Year and Date
      2012-11-15
  • [Presentation] HLA-Associated Viral Polymorphism in Chronically HIV-1-Infected Japanese Cohort: Analysis of Four-Digit HLA Allele Level2012

    • Author(s)
      近田 貴敬
    • Organizer
      第13回熊本エイズセミナー・エイズGCOE国際シンポジウム
    • Place of Presentation
      阿蘇リゾートグランヴィリオホテル(熊本市)
    • Year and Date
      2012-10-25
  • [Presentation] HLA-Associated Viral Polymorphism in Chronically HIV-1-Infected Japanese Cohort: Analysis of Four-Digit HLA Allele Level2012

    • Author(s)
      近田 貴敬
    • Organizer
      AIDS Vaccine 2012
    • Place of Presentation
      ボストン・コンベンション&エキシビションセンター(ボストン・米国)
    • Year and Date
      2012-09-10
  • [Remarks]

    • URL

      http://www.caids.kumamoto-u.ac.jp/data/takiguchi/viral/gyouseki/insei/insei-gyouseki-chikata.htm

URL: 

Published: 2014-07-16  

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