2012 Fiscal Year Annual Research Report
面方位混載型・歪みゲルマニウム超薄膜の創製と超高速トランジスタへの応用
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12J04434
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
黒澤 昌志 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | IV族半導体 / 低温結晶化 / GeSn / 金属誘起固相成長 / レーザーアニール |
Research Abstract |
本研究では次世代集積回路の創出に向けて,絶縁膜上にGeをベースとしたIV族半導体を高品質形成,および,歪み導入プロセス技術の開発を目標としている.本年度に得られた成果を以下に記す. (1)Geとの共晶反応する金属群(Ag,Al,Au,Sn)の中で,共晶温度が最も低いSn(Ge-Sn共晶温度:231℃)を用いた金属誘起横方向成長法を提案した.非晶質Ge薄膜の結晶化温度を150℃にまで低温化できることを明らかにした.また,結晶化膜にはSnが含まれており,その濃度は結晶化温度に依存し,1%~15%の間で制御することが可能である. (2)更なる低温/高品質化を目指し,被結晶化膜の極表面のみを局所的に溶融させる水中レーザーアニール法をGe_<1-x>Sn_x.(x:0-1)薄膜へ適用した.非晶質Ge薄膜にSnを添加することで,レーザー照射による膜損傷/凝集を抑制できること,即ち,レーザフルエンスの上限を高くできることを見いだした.x=0.05においては,膜損傷を与えずに結晶化できるレーザフルエンス幅は,x=0に比べ約10倍に増大した.その結果,結晶粒径を約0.01μm(x=0)から約1μm(x=0.05)へと約100倍増大させることに成功した.また,本手法にて結晶化した膜には伸張歪み(約1%)が導入されていることも判明した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画であったGeをベースとした高速トランジスタ実現に向けた結晶成長のプロセス開発は順調に進展してきた。GeとSnの共晶反応の解明も進んでおり,その制御技術構築に向けた知見も十分に蓄積されてきた.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに開発した結晶成長技術を高度化すると共に,Geをベースとした高速トランジスタの実用化に向けた高伸長歪み印加技術,超低抵抗ソース・ドレイン電極形成技術の開発などを推進する.
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Research Products
(15 results)