2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J04552
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 圭一郎 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | バイクラスタリング / マイクロアレイ / 共発現 / 糖鎖 |
Research Abstract |
当初計画では、頻出パタンマイニングアルゴリズムについて研究を行い、頻出グラフパタンの探索空間(列挙木)において、探索中に一定数以上の子パタンを持つ親パタン(ハブパタン)を発見する効率的なアルゴリズムを開発し、糖鎖構造の解析を行う予定であった。しかしながら、探索中にハブパタンを発見するアルゴリズムの開発が困難であったため、マイニングアルゴリズムに共通する出力の冗長性排除と膨大な出力の要約を行う問題に対する知見を得るために、頻出アイテムセットマイニングを応用した遺伝子発現解析手法の開発を行うことにした。またそれにより糖鎖関連遺伝子の解析を行うことを目標とした。 この課題設定のもと、本年度は頻出アイテムセットマイニングを応用した新しいバイクラスタ列挙手法と列挙されたバイクラスタの要約を行うツールの開発を行った。バイクラスタリングは、行列から特定の条件を満たす部分行列を抽出する技術として研究されている。マイクロアレイのデータセットは、行方向に遺伝子、列方向に実験条件をとることでテーブル形式のデータ(以下、発現行列)として表現できるため、バイクラスタリングは遺伝子発現解析に応用され、数多くのアルゴリズムが開発されている。しかしながら、既存の多くのバイクラスタリング手法は、重要なバイクラスタを探索中に見落とす可能性があるため、今回、頻出アイテムセットマイニングを応用して重要なバイクラスタを完全列挙する新しいアルゴリズムを開発した。さらに、列挙されたバイクラスタから統計的に有意なものだけをフィルタリングし、結果を遺伝子ネットワークとして要約するツールの開発を行い、Webサイトとして公開した。今回提案したバイクラスタリング手法が、競合手法よりも生物学的に重要な遺伝子群を多く発見できることを確認した。その結果をふまえ、糖鎖関連遺伝子の解析に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では、糖鎖構造解析のための効率的なグラフマイニングアルゴリズムの開発を行う予定であった。しかしながら、効率的なアルゴリズムの開発が困難であったため、テーマ変更してマイクロアレイからバイクラスタを抽出するマイニングアルゴリズムの開発を行った。開発したアルゴリズムが、既存のアルゴリズムより生物学的に有意なバイクラスタを多く生成することを確認した。成果は、webサーバーとして公開し、またジャーナルに論文を投稿中である。これらの成果は、糖鎖関連遺伝子の解析にも役立つものと期待でき、進展があったと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
槍鎖の構造・機能間の多様性を理解するためには、糖鎖の部分構造情報と糖鎖関連遺伝子情報を結びつけることが重要であると考えている。本年度は遺伝子解析ツールの開発を行ったものの、効率的なグラフマイニングアルゴリズムの開発が出来なったため別の視点からグラフ構造の解析について再度検討する必要がある。そこで、半教師付き学習のラベル伝搬アルゴリズムやリンク伝搬アルゴリズムを応用することで糖鎖構造の機能や予測を行うことを目標に、研究を推進する予定である。
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Research Products
(2 results)