2012 Fiscal Year Annual Research Report
情報化社会における"集合知"の発生メカニズムに関する社会生態学的検討
Project/Area Number |
12J04583
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
豊川 航 北海道大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 集団の意思決定 / 集合知 / 群知能 / 動物行動学 / 群衆行動 / 情報カスケード |
Research Abstract |
本研究の目的は、動物行動学の観点から「ヒト」の集団を捉え、集合知発生のメカニズムを解明する事である。社会性昆虫のコロニーでみられるような情報伝達のシステムと、インターネット上で見られるようなヒトの社会における情報伝達システムとの間には、「人気がさらに人気を呼ぶ」という共通の正のフィードバック・パターンがみられる。報告者は、大学生を対象としたネットワーク実験を北海道大学社会科学実験研究センターにて実施し、ヒトにおいても、社会的相互作用がもたらす正のフィードバックによってミツバチ等の社会性昆虫のコロニーが生み出すような集合知(swarm intelligence)を創発することを確かめた。しかし同時に、ヒトの場合は社会的な情報が過多になると平均的に意思決定の成績が下がってしまうという現象もみられた。集合知が生み出される1つの条件として、伝達する情報がシンプルであることが示唆された。この研究成果は、日本社会心理学会、日本動物行動学会、日本人間行動進化学会、European Human Behavior & Evolution Associationという広い分野の学会大会に置いて発表された。「人間の集団行動・群衆行動」という社会科学上の問題を、動物行動学・進化生態学の視点で議論するという場は非常に有意義であった。またこの研究に関する発表は、日本動物行動学会ポスター賞および日本人間行動進化学会発表賞という、2つの異分野の学会からの賞をいただいた。このことは、本研究の意義深さを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の研究成果は現在論文として投稿準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り、今年度は研究成果を順次論文として投稿する。今年度は、実験室での小規模実験だけでなく、インターネット上での比較的大規模な集団実験を予定している。
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Research Products
(5 results)