2012 Fiscal Year Annual Research Report
現代日本のポルノ規制とその構造:有害図書規制に関する人文社会情報学的検討
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12J04796
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木川田 朱美 筑波大学, 図書館情報メディア研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ポルノグラフィ / 有害図書規制 / 出版規制 / 表現の自由 / 内容分析 / 青少年保護育成条例 |
Research Abstract |
本研究課題では、現代の我が国におけるポルノ規制の基本的な構図を示し、規制の有効性を検討することを目的に、特に都道府県青少年保護育成条例による有害図書規制を我が国における主要なポルノ規制であると位置づけ、文献収集と調査分析を行っている。具体的に、本年度は以下の3課題に取り組んだ: (1)これまで一元化されたリストがなく研究が困難であった、個別指定された全国の有害図書について、都道府県公報等を用いて有害図書リスト作成を行った。その結果、東京都、茨城県、三重県の3自治体に関してはこれまで指定されたすべての図書をリスト化することができた。さらに、その他の道府県に関しても平成15年前後から直近までの有害図書リストを作成した。今後は、以前の都道府県公報などを参照し、より完全な有害図書リストを作成しデータベース化を行う。このリストは、今後有害図書関連の研究をする上で基礎データとして有用である。 (2)前述の有害図書リストを利用して有害図書指定件数の推移を明らかにした。その上で、指定件数と出版点数や各種運動との関連を見いだそうとしたが、現在までのところ、有害図書指定件数の増減と関係のある要因は確かではない。今後は自治体毎に精細な分析を加える。 (3)有害図書の内容分析を行うための基礎作業を行った。具体的には、分析手法の検討、分析対象のサンプリングを行い、さらに実際に東京都などで有害図書指定された資料の収集を行った。引き続き、それらの資料を用いて内容分析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
個別指定された全国の有害図書が予想より多く、リスト化に時間がかかった。そのため、今年度中に有害図書の内容分析に取りかかる予定であったが、来年度にずれ込んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画では、平成24年度後期には有害図書の内容分析に取りかかり、平成25年度前期には完了する予定であった。内容分析に取りかかるのが平成25年度前期からになるため、分析手法をより多人数での調査に対応させ、研究補助員を当初の予定より増員する。
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