2013 Fiscal Year Annual Research Report
金属複合プラスチックからの有機原料と金属の同時回収プロセスの開発
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12J04996
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
熊谷 将吾 東北大学, 大学院環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | PET / プラスチック / 熱分解 / 加水分解 / 酸化カルシウム / フィードストックリサイクル / ^<18>O同位体標識水 / 金属水酸化物 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、PETの水蒸気分解における熱分解と加水分解の影響をより詳細に検討するため、PETと同じポリエステルであり主鎖構造の異なるポリブチレンテレフタレート(PBT)およびポリエチレンナフタレート(PEN)について、^<18>O同位体標識水を用いた熱分解と加水分解の識別手法(Kumagaietal., et al., Chem. Lett., 42, 212, (2013))を適用し、水蒸気分解における分子構造の違いについて検討した。その結果、アルキル鎖の長いPBTはPETに比べ低い温度で水蒸気分解する上、アルキル鎖が長いため、熱分解で生成したビニル基末端のアルキル基が更に加水分解可能である事から、加水分解割合が高い事が明らかとなった。また、いずれの樹脂においても、分解に伴い加水分解割合が増加する傾向が確認された。 続いて、ポリエチレンテレフタレート(PET)からのベンゼン回収に関する検討を行った。金属含有PETと水酸化カルシウム(Ca(OH)_2)(水酸化カルシウムが脱水する際に生成する水蒸気を加水分解に利用)を混合した際の、ベンゼン生成に及ぼす含有金属の影響を調査した。その結果、昨年度の報告と同様に、触媒を混合した場合においても、含有金属のベンゼン回収に及ぼすネガティブな影響が無い事を明らかにした。 また、金属水酸化物として、Mg(OH)_2、Ba(OH)_2およびAl(OH)_3を触媒として使用し、ベンゼン収率・純度に対する評価を行った。その結果、A1(OH)_3についてはほとんどベンゼン生成に寄与せず、それ以外のアルカリ土類金属の場合、塩基性度の序列に従いベンゼン収率・純度が向上する事が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
金属回収およびPETからのテレフタル酸生成に重要な水蒸気分解についてさらに研究が進み、水蒸気分解のメカニズムが前年度以上に明らかになった。また、金属含有PETからベンゼンを回収する際に、Ca(OH)_2と混合して熱分解しても、含有金属の触媒作用がほとんど影響無い事を確認した。当初目的としていたポリカーポネートに関する解析まで達成できなかったが、前年度の成果からさらに進展があったと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画通り、焼成温度を変えて吸着特性の異なるCaOを調製、調製したCaOの物性を測定する。具体的には、比表面積、細孔分布、細孔容積、塩酸活性度、表面塩基度、表面塩基量を測定する。CaOとTPAからテレフタル酸カルシウムを合成し、結晶構造や吸着状態をXRDおよびFTIR等を用いて分析する。また、25年度に計画していたポリカーボネートに関する研究にも着手する。
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Research Products
(7 results)