2012 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌攪乱物質を用いた子宮NK細胞を中心とする生殖免疫学的解析
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12J05017
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
檜山 雅人 山口大学, 大学院・連合獣医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | p53 / 栄養膜 / オートファジー / 胎盤 / マウス |
Research Abstract |
生殖免疫学的に解析を行い、生殖戦略の解明、不妊治療への一助を目指していたが、研究を進めるにつれ、栄養膜侵入制御機構の重要性を見出した。胎盤と腫瘍は似て非なるものであり、その違いは厳密に制御された増殖、侵入機構にある。その制御において重要な役割を果たすものの候補として、p53に注目した。p53は様々な機能を有するが、その中でも我々は特にオートファジーに及ぼす影響についての解明を行っている。オートファジーは腫瘍に対して重要な要素であることに加えて、細胞の恒常性を保つという役割があるからである。胎盤は短期間のうちに増殖、分化する。そういった器官の中で、恒常性の維持というのは極めて重要である。また、細胞が過剰に増殖した時にオートファジーが働き、異常増殖を阻止するという役目も考えられる。従って我々はp53が胎盤の栄養膜侵入制御機構においてどのような役割を持つのかを、特にオートファジーに着目して実験を行った。 妊娠適齢期のICRマウスを交配させ、プラグ確認日をD1とした時のD12,14,16,19の各日齢において胎盤を採材した。一部をパラフィン包埋後4umの切片を作成し抗p53、MAP1LC3抗体を用いて免疫組織化学染色、TUNEL染色を、また、一部より蛋白、mRNAを抽出しp53、MAP1LC3のwestern blotting、p53、オートファジーに関連したreal time RT-PCRを行った。 免疫組織化学染色の結果より、マウス胎盤においてp53が栄養膜巨細胞、栄養膜合胞体の細胞質内、脱落膜細胞の核内に発現していること、それに対し、MAPILC3では主に脱落膜細胞の核内に発現し、栄養膜細胞では発現が見られないことを明らかにした。このことから、栄養膜細胞でのp53はオートファジーの抑制に、脱落膜細胞でのp53はオートファジーの促進に働いていることが示唆される。western blotting、real time RT-PCRにより明らかとなった各因子の妊娠時期による変動も、この結果を支持している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画とは異なる観点から実験をしているものの、目指しているゴールは生殖戦略の解明であり、同じである。現在までに我々は栄養膜、脱落膜におけるp53の正反対ともいえる役割の可能性を見出している。今後実験を進行するに当たり、方向性を確かめることが出来たことを考えると、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は今あるデータの裏付けをとるため、以下の3つを行う。(1)p53 deficient miceを用いた実験。(2)迷路部、脱落膜部を分離してのwestern blotting、real time RT-PCRの測定。(3)電子顕微鏡を用いてのオートファジーの確認。 また、PIGFは腫瘍の転移、増殖を促進するという報告もあるため、PIGFとp53の関係性も明らかにしていきたい。
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Research Products
(5 results)