2013 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素とアルコールからの有機カーボネート合成触媒とプロセスの開発
Project/Area Number |
12J05289
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
本田 正義 東北大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 二酸化炭素 / 有機カーボネート / 酸化セリウム触媒 / 常圧固定床反応装置 / ニトリル水和反応 / 高圧回分式反応装置 |
Research Abstract |
本研究の目的は、酸化セリウムを触媒としたメタノールと二酸化炭素からの炭酸ジメチル(DMC)直接合成反応を、バッチ系の反応からフロー系の反応へ移行し、かつ90%以上の高いDMC収率を得ることである。本年度の研究内容は、常圧固定床反応装置と反応条件の検討について行った。昨年度の研究において、酸化セリウム触媒とニトリル脱水剤である2-シアノピリジンを組み合わせることによって、DMC収率94%を達成している。これまでの報告では過剰の脱水剤を加えた条件でも最大47%と報告されており、非常に高い収率であることがわかる。本年度はこの研究成果をChemSusChemに論文として報告することができた。また反応速度論やFT-IR等の分光学的手法により、反応メカニズムを詳しく解析した。その結果を論文として現在Journal of Catalysisに投稿中である。本年度は、この反応をフロー装置を用いて行った。その結果DMCの生成が確認された。加えて反応条件の検討により、CO2圧力が0.1MPaといった非常に低圧の条件でDMCが生成することを見出した。DMC収率は、反応時間2時間までは増加したものの、それ以降は一定の値を示した。一方でイミデートの副生が見られた。イミデートの副生について反応速度論から詳細に解析したところ、メタノールと2-シアノピリジンの反応によって生成し、その強い塩基性によって酸化セリウム触媒を被毒していることが明らかになった。加えてイミデートはDMC合成反応よりも低温で進行しやすく、条件によっては室温一40℃程度でも進行してしまう容易な反応であることが分かった。これは反応条件によって抑制できる範囲ではなく、常圧フロー反応でDMCを合成するためには2一シアノピリジン以外の脱水剤を使わざるを得ないと結論づけられる。一方で様々なジオールを基質として、ジオールと二酸化炭素からの環状カーボネート合成を行った。その結果、比較的容易に生成する5員環のカーボネートが反応時間1-2時間の間に95%以上の高収率で、さらに合成が難しいと言われてきた6員環のカーボネートを50-80%の収率でそれぞれ合成することに成功した。この結果についでは現在ACS Catalysisに論文として投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(15 results)