2013 Fiscal Year Annual Research Report
メダカを用いた、配偶者選択行動の神経系動作原理の解明と展開
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12J05418
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
奥山 輝大 基礎生物学研究所, バイオリソース研究室, 特別研究員(SPD)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 配偶者選択行動 / GnRH / メダカ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究をScience誌に掲載する際に要求されたリバイス実験を行った。主に終神経GnRH3ニューロンがメスの受け入れ制御にのみ関わっているのかという特異性が争点となっていたために、gnrh3変異体、および、CXCR7変異体を用いて、視運動反応、群れ反応、ミラーアプローチング行動を用いて、運動性や同種個体認識の観点から解析を行ったところ、野生型との間に有為な差異は観察されず、性行動への特異性が示唆された。また、研究モデルのなかで終神経GnRH3ニューロンがオスの求愛を拒絶するためのメカニズムとして、NPFFペプチドを示唆したところ、gnrh3とNPFFの局在についての議論を求められたため、二重in situハイブリダイゼージョン法によって共局在を示した。本実験は大久保範聡准教授(東大・院農)との共同実験として行った。終神経GnRH3ニューロンの視覚系への関与について指摘されたため、成体メダカを用いてGnRH3ペプチドの免疫染色、および、二光子顕微鏡を用いてgnrh3-gfpトランスジェニック系統におけるGFP陽性繊維の観察を行ったところ、終神経GnRH3ニューロンの神経繊維が確かに視蓋に投射しており、編み目状になっていることを見出した。この投射はcxcr7、cxcr4変異体で異常を示すことが期待されたが、野生型との間に差異は見られなかった。本実験は野中茂紀准教授(基生研)との共同実験として行った。以上の実験の結果、本研究は2014年11月にScience誌にアクセプトされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題を論文として通すことに成功した。また、並行して行っていたリコンビネーション特異的な脳領域の新しい修飾方法の開発にも成功した。具体的には、熱ショックタンパクプロモーター下流でCreリコンビナーゼを発現するトランスジェニックラインに対して、領域特異的に近赤外光レーザーを照射することで領域特異的な神経修飾法を考案し、PLOS Oneに投稿していた。本実験に対し、成体において修飾された細胞の分布がどのようになっているかが争点となりリバイス実験を要求されたため、切片を用いて詳細な観察を行ったところ、表層に位置する神経幹細胞は分裂の後、内部へと移動することが明らかになった。以上の実験の結果、本研究は2013年5月にPLOS One誌にアクセプトされた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究においてメス個体はオス個体を記憶し、求愛受け入れを制御していることが示されたが、一方でどのようにして個体を記憶しているのか、またどのようにして終神経GnRH3ニューロンへとその情報を伝えているかについて不明な部分は多く残っている。そこでマウスにおける個体認識テストであるスリーチャンバーテストを用いて、海馬内のどの神経回路が個体記憶に関与しているかの探索を行う。また、この実験を通して、更なる解析のためのオプトジェネティクスを習得する。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] A neural mechanism underlying mating preferences for familiar individuals in medaka fish2014
Author(s)
Okuyama T, Yokoi S, Abe H, Isoe Y, Suehiro Y, Imada H, Tanaka M, Kawasaki T, Yuba S, Taniguchi Y, Kamei Y, Okubo K, Shimada A, Naruse K, Takeda H, Oka Y, Kubo T, Takeuchi H
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Journal Title
Science
Volume: 343
Pages: 91-94
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Controlled Cre/loxP Site-Specific Recombination in the Developing Brain in Medaka Fish, Oryzias latipes2013
Author(s)
Okuyama T, Isoe Y, Hoki M, Suehiro Y, Yamagishi G, Naruse K, Kinoshita M, Kamei Y, Shimizu A, Kubo T, Takeuchi H
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Journal Title
PLOS one
Volume: 8
Pages: e66597
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] Neural mechanism underlying socially-regulated female mating receptivity in medaka fish2013
Author(s)
Teruhiro Okuyama, Saori Yokoi, Hideki Abe, Yasuko Isoe, Yuji Suehiro, Haruka Imada, Minoru Tanaka, Takashi Kawasaki, Shunsuke Yuba, Yoshihito Taniguchi, Yasuhiro Kamei, Kataaki Okubo, Atsuko Shimada, Kiyoshi Naruse, Hiroyuki Takeda, Yoshitaka Oka, Takeo Kubo, Hideaki Takeuchi
Organizer
第36 回日本分子生物学会年会
Place of Presentation
神戸ポートアイランド(兵庫県 神戸市)
Year and Date
2013-12-03 – 2013-12-06
Invited
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