2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J05556
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
エン 小響 慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 心不全 / 免疫 / 炎症 / 心筋梗塞 / リモデリング |
Research Abstract |
脳や心臓の領域で梗塞後に起こる炎症が梗塞巣の拡大に寄与することが報告されはじめ、トピックスとなっている。研究計画1では炎症過程を終焉に向かわせる機序の解明を進めたが、ここでは、梗塞後亜急性期以降活性化されて梗塞巣の拡大、非梗塞部位の線維化を介して心臓リモデリングに寄与している免疫細胞の検討を行った。申請者は、好中球やマクロファージから放出されるIL-23がγδT細胞からのIL-17の産生を誘導して心不全を増悪させることを発見した。IL-17産生細胞は臓器や病態によってさまざまであるが、心筋梗塞後には90%以上γδT細胞からIL-17が分泌される。IL-17-KOマウスやTCRγδ-KOマウスでは、梗塞後2日目でMMP1,3,9,MCP-1,TNFα,IL-1β,IL-6の発現は野生型マウスと差がない。この結果は、IL-17産生性γδT細胞は梗塞早期の炎症、すなわち損傷治癒機転には影響を及ぼさないことを意味する。一方で、梗塞後7日目以降では、IL-17はCXCL1を介して好中球の浸潤を遷延化させ、マクロファージに対しては、向炎症性(M1)>損傷治癒(M2)へ傾かせ、線維芽細胞に対しては増殖、collagen産生を促進させ、炎症の慢性化、臓器の破壊を促進させる方向に作用している。急性期の炎症反応(=損傷治癒機転)には影響を及ぼさず、急性期を脱したあとの炎症の遷延化過程に深く関与するIL-17産生性γδT細胞は心筋梗塞後の心不全発症予防の治療標的として非常に有望である。(Yan X,et al.Deleterious effect of theIL-23/IL-17A axis and γδT cells on left ventricular remodeling after myocardial infarction. J Am Heart Assoc.2012 0ct;1(5):eOO4408.Doi)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
IL-17産生γδT細胞が梗塞部位へ浸潤してくる機序の解明を進めた。IL-23がIL-17産生γδT細胞の増殖に重要であること、DAMPs-TLRシグナリング、インフラマソームー-IL-1βシグナリング、sphingosine-1-phosphate(S1P3)シグナリング、CCL20/CCR6シグナルなどの関与も明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
新たな試みとして、心不全における肺リモデリングの分子機序、免疫老化とメタボリック症候群の関係に関する研究も精力的に進めている。
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Research Products
(3 results)