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2013 Fiscal Year Annual Research Report

インスリン分泌ホルモンによる甘味特異的な情報伝達メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 12J05570
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

高井 信吾  九州大学, 歯学研究院, 特別研究員(DC1)

Keywords味覚 / 末梢感覚 / 生理学
Research Abstract

本年度の研究成果を以下に列記する。
・免疫組織学的手法を用い、GLP-1の味蕾における発現、また各種味細胞マーカーとの共発現の割合を調べた結果、GLP-1は甘味受容体を形成する分子であるTIR3発現味細胞に多く局在していることがわかった。
・野生型マウス、GLP-1レセプターKOマウスの舌前方部味蕾を支配する鼓索神経、および舌後方部の味覚を支配する舌咽神経の甘味、苦味、酸味、塩味、うま味の各種味物質に対する応答を記録. 比較した。その結果、甘味に対する応答がKOマウスでは減弱していることが明らかとなった。このGLP-1レセプターKOマウスは、10秒間の各種味溶液に対するリック数を計ることでそれらの味質に対する嗜好性を評価する行動応答実験においても、甘味に限定された応答の減少を示すことがわかった。
・当研究室のみが有する、単一味細胞からの味応答記録が可能なsingle cell patch clamp法を用い、甘味刺激に応答した甘味感受性細胞から分泌されたGLP-1をpatch記録電極内に回収し、その濃度を測定した。この甘味に応じて分泌されるGLP-1の濃度は、苦味物質で刺激した時に興奮が見られる苦味感受性細胞から回収した電極内溶液GLP-1濃度よりも有意に高値を示した。さらに、loose patch clamp法を応用した手法を用い、味蕾全体から放出されるホルモンの量や、刺激の種類また刺激強度との対応を解析する実験も併せて行った。その結果、味蕾からのGLP-1分泌は甘味刺激特異的であり、なおかつ甘味強度依存的にその分泌量が増加することがわかった。
・GLP-1を直接マウス血中に投与すると、鼓索神経中の甘味特異的に情報を伝える単一神経線維が一過性にその活動性を上昇させることがわかった。一方、他の味刺激に応答する神経線維ではこのGLP-1による活動性の上昇はほとんど確認できなかった。
以上の結果は、GLP-1が特定の甘味感受性細胞より分泌され、甘味特異的な神経繊維に対する情報伝達物質として機能している可能性を強く示唆するものと考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

GLP-1が、甘味刺激により味細胞からの分泌され、甘味特異的な情報伝達へ寄与している可能性が高いことが明らかとなった。現在はこの研究成果を論文として投稿する準備を進めている段階である。

Strategy for Future Research Activity

今後はさらに、GLP-1以外のインスリン分泌ホルモンであるGIPや. その他の消化管ホルモンの味覚器における役割の解明や、すでに報告がある伝達物質(ATP等)との関係について研究を進めていきたいと考えている。

  • Research Products

    (5 results)

All 2014 2013

All Presentation (5 results)

  • [Presentation] GLP-1 may be involved in sweet specific taste transmission from taste cells to gustatory nerve fibers.2014

    • Author(s)
      Shingo Takai
    • Organizer
      第91回生理学会大会 公募シンポジウム「Regional variation and functional overlapping of taste sensor molecules expressed in the oral caVity, gut and brain」
    • Place of Presentation
      鹿児島大学(鹿児島県)
    • Year and Date
      2014-03-16
  • [Presentation] 味蕾から分泌されるGLP-1は甘味特異的な情報伝達に関与する2013

    • Author(s)
      高井 信吾
    • Organizer
      第4回福岡薬理・生理系研究会
    • Place of Presentation
      九州大学コラボステーション(福岡県)
    • Year and Date
      2013-12-12
  • [Presentation] GLP-1 may be involved in sweet specific taste transmission from taste cells to gustatory nerve fibers.2013

    • Author(s)
      Shingo Takai
    • Organizer
      The 11th International Symposium on Molecular and Neural Mechanisms of Taste and Olfactory Perception
    • Place of Presentation
      九州大学コラボステーション(福岡県)
    • Year and Date
      2013-11-02
  • [Presentation] マウス味蕾における甘味特異的なGLP-1の分泌2013

    • Author(s)
      高井 信吾
    • Organizer
      第55回歯科基礎医学会学術大会・総会
    • Place of Presentation
      岡山コンベンションセンター(岡山県)
    • Year and Date
      2013-09-21
  • [Presentation] The secretion of GLP-1 from mice taste bud in response to sweet taste stimuli2013

    • Author(s)
      Shingo Takai
    • Organizer
      日本味と匂い学会 第47回大会
    • Place of Presentation
      仙台市民会館(宮城県)
    • Year and Date
      2013-09-06

URL: 

Published: 2015-07-15  

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