2012 Fiscal Year Annual Research Report
排斥の検知メカニズムに関する社会心理学・社会神経科学的検討
Project/Area Number |
12J05780
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
川本 大史 広島大学, 総合科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 社会的排斥 / 検知 / 拒絶感受性 / 社会神経科学 |
Research Abstract |
他者からの被排斥経験は,多方面に渡り人にネガティブな影響を及ぼす。そのため,他者からの排斥を迅速に検出することはその後の対処行動を促進するため適応的であると考えられてきた。しかしながら,従来の研究では他者からの排斥に対して敏感であることは,必ずしも適応を予測しなかった。これは,従来排斥の敏感さの指標として用いられていた拒絶感受性(Rejection sensitivity : RS)が,排斥検出の敏感さではなく,その後の行動の特殊性を反映していることに由来する。 本年度は,排斥検出の敏感性そのものを反映する「排斥状況検知能力尺度」を作成し(Ability to Detect Social Exclusion : ADSE),拒絶感受性との特殊性について,社会心理学的手法を用いた縦断調査,社会神経科学的手法を用いた実験を行った。縦断調査の結果,ADSEの高さは過去の良好な対人関係や将来の受容経験を関連していたのに対して,RSの高さは過去の劣悪な対人関係と将来の排斥経験と関連していた。実験の結果,RSの高さは排斥手がかりに対して迅速な認知的回避と動機的注意の増大と関連していたのに対して,ADSEの高さは排斥手がかりの判断の正確さを導く認知過程と関連していた。これらの結果から,RSは不適応な行動傾向と関連しているのに対して,ADSEは適応的な行動傾向と関連していることが示された。そのため,排斥検出そのものの敏感さは,適応的な認知・行動を予測することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
昨年度は、社会神経科学的手法を用いた実験を行う予定であったが、実験に加え社会心理学的手法を用いた縦断調査も実施した。そのため、当初の計画以上に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度実施した実験・調査について、国際学会等で発表を行う。その後、それらをまとめて国際詩等に投稿する予定である。本年度は、社会的排斥に加えて、社会的受容に着目した検討を行う。具体的には、自己価値の低い個人が他者からの受容的態度に対してどのような認知処理を行うかについて、社会神経科学的手法を用いた検討を行う。 その後、実験結果をまとめ国際学会等で発表し、国際誌に投稿予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Is dorsal anterior cingulate cortex activation in response to social exclusion due to expectancy violation? : A11 fMRI study2012
Author(s)
Kawamoto, T., Onoda, K., Nakashima, K., Nittono, H., Yamaguchi, S., & Ura, M.
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Journal Title
Frontiers in Evolutionary Neuroscience
Volume: 4(online)
Pages: 11
DOI
Peer Reviewed
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