2014 Fiscal Year Annual Research Report
炭化タングステン-コバルト系超硬合金における粒成長機構の解明及び制御
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12J06087
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉山 一生 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 粒成長 / 液相焼結 / 超硬合金 / WC-Co / 硬質材料 / 粉末冶金 / TEM / EDS |
Outline of Annual Research Achievements |
切削や掘削をはじめとする材料加工、土木工事等に幅広く用いられる超硬工具材料であるWC-Co系超硬合金は、工業的、実用的に極めて重要な材料であるが、WとCoという資源戦略上重要な元素を多量に含有していることから、これら偏在埋蔵資源の使用料を削減することが急務である。本研究では、原子レベルの材料作製プロセスに立ち返り、材料作製中の組織及び微細組織形成プロセスを明らかにすることで、飛躍的な材料強度や耐久性の向上を目指してきた。 WC-Co系超硬合金では、VCなどの添加物によって材料作製プロセス中のWC粒成長が大きく抑制され、これが機械特性向上につながることが知られてきた。昨年度までに、こうしたVCなどの添加物が、材料を焼き固める温度においてもWC粒とCo相との界面に存在することによって粒成長を抑制していること、及び添加物が界面に形成する構造の立体形状を明らかにしてきた。 最終年度である本年度は、こうした界面に形成される構造の合金組成依存性を明らかにすることで、粒成長抑制効果を制御する指針を与え、より効果的な添加物及び組成選定指針を与えることを目的とした。この目的のため、合金中炭素量をパラメータとして複数の試料を作製し、微細構造を透過型電子顕微鏡等を用いて観察したところ、界面の添加物による被覆率が、合金中炭素量に依存することが見出された。このような違いは、添加物相とWC粒との格子定数差の変化によって生じると考えられ、適切な格子定数差を持つ添加物、合金組成を予め検討しておくことで、効率的な材料設計が可能になると考えられる。 本研究成果は、WC-Co系合金の大きな特性向上につながる材料設計指針を与えていることに加え、他の材料における粒成長制御にも応用され得る結果が得られており、材料科学一般において重要な成果である。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Spatially-resolved mapping of history-dependent coupled electrochemical and electronical behaviors of electroresistive NiO2014
Author(s)
I. Sugiyama, Y. Kim, S. Jesse, E. Strelcov, A. Kumar, A. Tselev, E.K. Rahani, V. B. Shenoy, T. Yamamoto, N. Shibata, Y. Ikuhara, S.V. Kalinin
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 4
Pages: 6725
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] NiO薄膜中電気化学現象の歪み場依存性2014
Author(s)
杉山一生、Yunseok Kim, Stephen Jesse, Evgheni Strelcov, Amit Kumar, Vivek B. Shenoy, 柴田直哉、山本剛久、Sergei V. Kalinin、幾原雄一
Organizer
第75回応用物理学会秋季学術講演会
Place of Presentation
北海道大学札幌キャンパス(北海道)
Year and Date
2014-09-20
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