2013 Fiscal Year Annual Research Report
社会科学的シナリオ分析を適用した野生動物との軋轢緩和に関する研究
Project/Area Number |
12J06094
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
久保 雄広 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 環境評価手法 / 野生動物管理 / 住民意識 / ヒグマ / 選択型実験 / シナリオ分析 / 軋轢緩和 / 表明選好法 |
Research Abstract |
本研究の目的は、シナリオ分析を統合した選択型実験を用いて、野生動物に関して人々がどのような将来像・管理案を望んでいるか、詳細に解明することである。 2013年度は、野生動物に対する人々の認識を詳細に分析するとともに、その成果を国内誌・国際誌に投稿することであった。研究は極めて順調に進み、ヒグマ保全に対する人々の認識およびヒグマ管理に対する要望の多様性について、交差項モデルや潜在クラスモデルを用いることで、詳細に明らかにした。 本研究の意義はこれまで生態学的研究に依拠してきた野生動物管理に社会科学的知見を提供し、野生動物と人との軋櫟緩和に貢献する具体的なシナリオ・政策を提案したことである。 申請者は上記の成果を用いて、北海道のヒグマ管理に具体的な政策提言を行った。また、選択型実験を用いることで野生動物に関する人々の認識のトレードオフを明らかにした研究は世界的にも例が少なく、本研究の成果は国際誌(European Journal of Wildlife Research)および国内誌(野生生物と社会)にそれぞれ原著論文として受理された。また、それ以外にも3本の論文を国際誌に投稿中である。 申請者は2013年9月よりアルバータ大学に滞在し、最先端の経済学的手法の習得に取り組んでいる。2013年度は現地の受入教授であるAdamowicz教授をはじめとした環境経済学者、野生動物管理を専門としている生態学者と議論を重ねることで、よりグローバルな視野に立った研究および政策立案への貢献のための準備をはじめたところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
昨年度、終了時の目標とした住民認識の詳細な分析、および国際誌への論文投稿を果たし、国内誌と合わせて3本の査読付き論文が受理されるに至った。
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Strategy for Future Research Activity |
カナダで習得中の最先端の環境経済学の手法を用いて、さらに詳しい分析を進めるとともに、日本とカナダにおける住民間の野生動物に対する認識の比較にも取り組む。
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Research Products
(12 results)
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[Presentation] Visitol's attitudes toward possible issues on recreational uses in the Amami Islands, a World Natural Heritage candidate, Japan2013
Author(s)
Kubo, T., Izu, N., Tsujita, A., Shoji, Y. and Aaikoh, T
Organizer
APC2013
Place of Presentation
宮城県・仙台国際センター
Year and Date
20131114-15
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