2012 Fiscal Year Annual Research Report
加速器実験を用いた素粒子理論モデルの選別及びパラメータ測定可能性の理論的研究
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12J06240
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
張ヶ谷 圭介 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 超対称性理論 / リトルヒッグス模型 / トップパートナー / 暗黒物質 |
Research Abstract |
私はまず、トップパートナーのLHCにおける検出方法に関して研究した。電弱対称性の破れのエネルギースケールが重力のエネルギースケールよりも遥かに小さいことには、何か理由があるはずである。電弱対称性のスケールを説明するような理論として私が有力だと考えるものに、超対称性理論とリトルビッグス模型がある。それらのモデルに、トップパートナーと呼ばれる、トップクォークと混合するような粒子がしばしば現れる。このような粒子をLHC実験で探索することは重要である。私はトップパートナーがトップクォークとヒッグス粒子に崩壊しさらにそれらがボトムクォークに崩壊することに注目し、ボトムクォークが多数含まれるような信号を探索することを提案した。さらに、どの程度の質量のトップパートナーをならばLHC実験で探索できるかをモンテカルロシミュレーションを用いて計算した。この方法は、LHC実験で実際に使われている。 私はまた、暗黒物質のLHC実験における検出方法に関する研究を行った。銀河の回転の様子、遠方より飛来する光のスペクトルの様子の観測から、宇宙には暗黒物質と呼ばれる、光をほとんど発しない物質があることがわかっている。私は暗黒物質と各々6種のクォーク達の持ちうる相互作用を書き下し、その相互作用がどの程度の大きさであれば現在の暗黒物質の量が説明できるか、どの程度の大きさであればLHCで検出することができるかを計算した。全てのクォークに対しにこのような計算を行ったのは私が初めてであり、私の計算結果はLHCにおける暗黒物質探査において必要となるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
申請書の平成24年度の研究計画に記載した内容が完了したため。また、それに加え暗黒物質に関する研究を遂行できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
LHC実験の進展により、素粒子理論模型に関する制限が付いた。その制限を考慮した上で、LHC実験で模型、とくに超対称性に基づく模型をいかに検証するかを考える。模型を改良しなければいけない時には改良する。
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