2013 Fiscal Year Annual Research Report
NK3受容体プローブの創製とGnRHパルス発生機構の解明
Project/Area Number |
12J06309
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三須 良介 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | GnRH / NK3受容体 / senktide / ネプリライシン / ペプチドミメティクス |
Research Abstract |
平成24年度の研究により得られたNK3受容体選択的アゴニストの構造活性相関情報に基づき、既知アゴニストsenktideの構造最適化研究を実施した。その結果、senktideより9倍程度高い活性を有する誘導体を見出した。また、代表的な畜産動物であるウシのNK3受容体に対する生物活性を評価することを目的として、ウシNK3受容体を安定発現するCHO細胞を作製し、得られたNK3受容体発現細胞株が細胞内カルシウム濃度変化の定量によるアゴニスト活性評価に利用できることを確認した。 続いて、高い生体内安定性を有するNK3受容体アゴニストの開発を目的として、[MePhe^<7>]-NKB及びsenktideの生体内安定性評価を実施し分解特性を解析し、これらのペプチドがNKB分解酵素として知られるネプリライシン(NEP)により不活性化されることを明らかにした。これに基づきより高い生体内安定性が期待されるNK3受容体アゴニストの創製を目的として、切断部位であるGly-Leu間のペプチド結合をペプチドミメティクスに置換した誘導体を設計・合成した。このうち、(E)-アルケン型ジペプチド等価体を導入した誘導体は、senktideと同等のアゴニスト活性を示し、また、24時間以内にNEPによる分解は認められなかった。以上の検討により、senktideと同等の生物活性及び受容体選択性を維持しつっ、高い生体安定性を有することが期待される新規NK3受容体アゴニストを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度に実施した構造活性相関情報に基づきsenktideの構造最適化研究を実施し、senktideよりも9倍程度高い活性を有する新規NK3受容体選択的アゴニストを見出した。また、NK3受容体アゴニ夙トの生体安定性を評価して分解特性を明らかにするとともに、これに基づき新たな誘導体を設計し、高い生体安定性が期待される新規NK3受容体アゴニストを開発した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の研究により、高い生物活性を有する新規NK3受容体アゴニスト、及び高い生体内安定性が期待される新規NK3受容体アゴニストを開発したことから、今後はこれらのペプチドのinvivoにおけるGnRHパルスに対する効果を精査する。また、・現在GnRHパルス機構に関与する受容体に対するプローブ分子の開発に取り組んでおり、合成したプ白一ブを用いて、各受容体の局在解析を実施する。
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