2012 Fiscal Year Annual Research Report
非対面のボランティア的行為の実証的研究:『想像力』による社会連帯の可能性
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12J06341
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉武 由彩 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 非対面のボランティア的行為 / 想像力 / 社会連帯 |
Research Abstract |
本研究の目的は、「非対面のボランティア的行為の構造を把握し、それが社会連帯の形成にどのように寄与するのかを実証的に探る。その際に、提供者と受け手の『想像力』を媒介とした関係に着目する。」ことである。この目的を達成するために、当該年度は、(1)「想像力」に関する先行研究のレビューによる理論的検討、(2)非対面のボランティア的行為者への聞き取り調査、(3)研究資料の収集、(4)研究成果の学会での発表などを中心に研究活動を行った。 (1)修士論文(2012年1月提出)では、「想像力」をキーワードとしながらも、その「想像力」という概念が、先行研究のレビューによる理論的検討をなされずに中心概念として使用されていたという点が、課題としてあった。そこで、日本における想像力に関する論考のレビューを行った(2)非対面のボランティア的行為者への聞き取り調査として、福岡市の献血ルームにおいて、献血回数が多い、多回数献血者に対し聞き取り調査を行った。聞き取り調査は、献血ルーム側への依頼を2012年10月に行い、2013年1月から開始した。献血者はどのような「想像力」を持つのか、そしてその想像力がどのように形作られ、支えられているのかを調査している。(3)研究資料の収集については、福岡県立図書館などにおいて、日本赤十字社の社史を閲覧し資料収集を行った。また、2013年2月に東京の日本赤十字社本社を訪問し、血液事業本部の方に、東日本大震災と献血について、献血者と供給数の月変動についてなどをご教示いただき資料をいただいた。(4)修士論文においてまとめた献血者への聞き取り調査の結果について、学会等で報告を行ったが、その中で数々のコメントをいただいた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、「想像力」に関する文献レビュー、献血の聞き取り調査のどちらも行うことができたため、おおむね順調に進展している。ただし、事前の計画書とは順序が異なる。計画書では、質問紙調査を1年目に行うことを計画・予算を計上していたが、質問紙調査は2年目または3年目とし、代わりに1年目は上記のレビューと聞き取り調査を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、修士論文や2013年1月からの献血の聞き取り調査によって得た知見をもとに、学術雑誌への投稿作業を行う予定である。さらに、献血について継続的に調査を行い、想像力に関する研究を進める。加えて、1年目に行うことができなかった質問紙調査を2年目または3年目に行う予定である。想像力に関する文献レビューによる理論的な部分と、献血の実証研究との関連についても、考察を行う。
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Research Products
(4 results)