2013 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素ガスおよびビスメタル化合物を用いた光学活性アミノ酸のワンポット合成
Project/Area Number |
12J06589
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
陳 建揚 北海道大学, 大学院生命科学院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 二酸化炭素 / α-アミノ酸 / N, O-アセタール / BF_3・OEt_2 / Mn / Licl |
Research Abstract |
平成25年度は二酸化炭素ガスからα-アミノ酸をより効率的に合成すべく、合成戦略を変更し実験に取り組んだ。私の開発したこれまでの手法は、イミン前駆体であるα-アミノスルホンに対し、シリルスズやシリルボロン等のビスメタル試薬から発生されたメタロイドアニオンと二酸化炭素ガスを用いた合成法であったが、この場合二酸化炭素の加圧(5-10 atm)が必要であるためオートクレープの使用が必須であった。またこれらのビスメタル試薬は比較的高価であり、合成するとなると手間を要するため、これらの問題点を一挙に解決すべく、入手容易でかつ安価な試薬を用いたカルボキシル化の開発を目指し検討を行った。その結果、常圧(1 atm)の二酸化炭素ガス雰囲気下、アルデヒドから容易に調製されるN,O-アセタールに対し、ルイス酸としてBF_3・OEt_2を、一電子還元剤としてマンガン、添加剤としてLiClを作用させることで、対応するα-アミノ酸誘導体が高収率で得られることがわかった。本カルボキシル化反応では中間体としてα-アミノマンガン種が生成していることが示唆されている。LiClの添加は必須であり、本添加によりα-アミノマンガン種の生成が促進されると同時に、その求核性が増し二酸化炭素への付加反応が促進されたと考えられる。BF_3・OEt_2、Mn、LiClはいずれも安価でしかも低毒性な試薬であり、しかも本カルボキシル化は常圧の二酸化炭素雰囲気下で進行するため、実用的な反応であるといえる。穏和な条件下で反応が進行しα-アミノ酸が得られることがわかったので、現在光学活性なα-アミノ酸の合成に向けて検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(3 results)