2013 Fiscal Year Annual Research Report
高磁場MRI解析を用いたラット中大脳動脈閉塞後の認知機能障害機構の解明
Project/Area Number |
12J06619
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
陳 揚 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 認知記憶機能 / 脳梗塞 / 拡散MRI / P2Yl受容 / 高磁場MRI / 体性感覚野誘発電立 |
Research Abstract |
当該研究テーマに関しては、Journal of Neuroinflammation誌の方に2013年7月に受理されたことにより一応の研究目的を達成したとみなした。血管炎症に抵抗性のあるP2Y1受容体欠損マウス(P2Y1KOマウス)は脳梗塞後でも認知記憶機能を保持するという興味深い結果が得られ、海馬アストロサイトの炎症反応も抑制され、海馬MD値も正常レベルであるということが認められた。野生型マウスにP2Y1受容体のアンタゴニストを投与した場合も、同様の結果が得られたことから、P2Y1受容体の重要性を確認することができた。さらに、MD値が脳梗塞後の認知記憶機能をあらわす指標としてより有用であるということを示すこともでき、脳梗塞後の認知記憶機能障害メカニズムを解明するという観点からすれば大きな進展が得られたものと考えられる。 当初の目的が予定より早く達成されたため、2013年の4月からは東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻の関野正樹准教授の下に受け入れ先を変更した。こちらの研究室では、Bruker製7テスラの高磁場MRI装置を所有しており、より高磁場MRIへの理解を深めるために「体性感覚誘発電位における局所磁場分布の推定のためのラット脳多点電位計測」という研究テーマに従事した。この研究ではこれまで培ってきたラットの脳や高磁場MRIに関するノウハウを活かすことができた。解析に関しても前テーマの際に使用していたソフトを用いて、さらに多くの解析方法を取得することができた。体性感覚野誘発電位は非常に微弱であり、測定環境周辺のノイズ除去が大きな課題である。何度も失敗を経験しながらも測定を成功させることができた。この結果はすでに第41回日本磁気共鳴医学会大会においてポスター発表を行っており、関係する研究者の方々から高い評価を頂くことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(2 results)