2013 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀初頭アメリカ合衆国の社会保障制度と医療思想の国際連関
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12J06622
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| Research Institution | Hitotsubashi University |
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Principal Investigator |
牧田 義也 一橋大学, 大学院社会学研究科, 特別研究員(PD)
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| Keywords | アメリカ史 / グローバルヒストリー |
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| Research Abstract |
本研究は20世紀初頭のアメリカ合衆国における社会保障制度の形成過程とその社会的含意を、19世紀後半以降の医療思想の国際的連関の中に位置づけて考察することを目的とする。具体的にはアメリカ合衆国の社会政策の根幹を支えた医療思想が、フィリピン・ハワイ等の太平洋島嶼地域、日本と19世紀後半以降その植民地統治下にあった台湾・中国東北地方、及び1919年に国際連盟の後援でスイスに本部が設立された国際赤十字連盟による公衆衛生行政の国際的平準化の動き等、国際的思想連関の中で構築されたことを本研究は明らかにする。そのために平成25年度は、アメリカ合衆国メリーランド州の国立公文書館にて3度の史料調査を実施するとともに、論文投稿・国際会議報告を積極的に実施した。
平成25年度は3件の論考が刊行された。これらによって、①1898年に勃発した米西戦争中の合衆国陸軍看護婦部隊の海外看護活動に焦点を当て、同部隊の組織と事業がアメリカ人女性看護師の海外活動を拡大するとともに、合衆国内での女性看護事業の専門職化を促進した経緯を明らかにした ; ②1904-1905年の日露戦争中の中国東北地方における日本赤十字社の衛生事業を分析し、戦時下での医療衛生活動がその後の中国東北地方における日本の半植民地統治の基盤となったことを示した ; ③20世紀転換期の日本の海外進出と医療事業の様相を植民地主義・アジア主義との関連から概観した。
さらに平成25年度中に実施した2回の国際会議報告では、アジア太平洋地域における日米の医療・看護思想の連関に対して、国際機関が果たした役割を明らかにした。具体的には、国際赤十字社連盟が主導した東洋赤十字会議に注目し、日米両国の赤十字社がアジア太平洋地域の公衆衛生制度の確立に際して及ぼした影響を考察した。今後これらの研究報告を論文化し、より充実した分析に発展させていきたい。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究対象に関する考察の深化、収集史料の分析の進展といった点では、研究計画は順調に進んでいる。また、平成25年度はこれまでの研究成果を3つの論考にまとめることができた点で、研究成果を広範に発信することができた。ただし、平成25年度は大規模な史料収集を実施してきたが、研究目的の十全な達成のためには、いまだ収集すべき史料は膨大にある。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成25年度中に収集しきれなかった史料の獲得が今後の課題となる。平成25年度中には予算上の他の優先事項とスケジュールの関係で叶わなかったスイス・ジュネーヴでの調査等、史料収集上の課題を解決する必要がある。今後可能なかぎり速やかに、研究目的の達成のために必要となる史料の収集・分析にあたると同時に、これまでの研究成果を総合する努力を重ねていきたい。
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[Book] Entangled Histories : The Transcultural Past of Northeast China2013
Author(s)
Ines Prodoehl, Frank Gruener, Dan Ben-Canaan, Soren Urbansky, Xin Yuan, Mark Gamsa, Madeleine Herren, Olga Bakich, Rudolph Ng, Susanne Hohler, Hein z-Dietrich Lowe, Blaine Chiasson, Victor Zatsepine, Yoshiya Makita, Tomoko Akami
Total Pages
238 (189-203)
Publisher
Springer
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[Book] Conflicting Ethnicities : Locating the Local in the Global2013
Author(s)
Kousar J. Azam, M. S. Prabhak ara, D. R. Sahu, Vallabu Srilatha, Ashutosh Kumar, Sajal Nag, P. K. Ryngnga, Emanuela Mangiarotti, Javeed Alam, Adeel Khan, K. R. Sharma, Krishna Hachh ethu, R. A. Ariyaratne, B. Malini Reddy, B. A. Shilpa Deekshith, Olga Potapova, Carmen De Michele, Yoshiya Makita, Victor Ukaogo
Total Pages
372 (339-348)
Publisher
Manohar
