2013 Fiscal Year Annual Research Report
記憶機能低下に伴う脳波位相同期のメカニズム解明とアルツハイマー病早期発見への応用
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12J06625
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 雄太郎 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 脳波 / 信号解析 / 神経細胞集団モデル / アルツハイマー病 / 脳波位相同期現象 |
Research Abstract |
本研究の目的は脳波信号からアルツハイマー病患者に特異的な特徴を見出し, アルツハイマー病の早期診断指標を構築することである. そこで, 脳波位相同期現象に着目し研究を進める計画を立てた. 離れた脳部位で測定される脳波の位相が同期する現象を脳波位相同期現象と呼ぶ. この脳波位相同期現象は短期記憶能力の高いヒトほど強い同期が観測されることが知られている. また, 疾患との関連では, アルツハイマー病患者において記憶機能の低下とともに脳波位相同期現象の低下が指摘されている. そこで, 短期記憶に伴う脳波位相同期現象の強弱を測定し, 疾患の診断へ応用することが期待されている. しかしながら, 脳波位相同期現象の測定を用いた診断手法の確立に際しては, 短期記憶に伴う神経の発火活動から脳波位相同期へいたるまでのメカニズムが不明である問題が挙げられる. そこ昨年度, アルツハイマー病患者に特徴的な脳波の変化を再現する脳波発生数理モデルを構築した. 本年度は脳波データから数理モデルの生理学的パラメータを推定する手法を構築し発表した. また, 健常者を対象に短期記憶機能と脳活動の関係性を探るため, NIRSと呼ばれる近赤外線を用いた脳活動の測定を行ない, NIRSの測定信号から求めた脳活動が被験者ごとの短期記憶能力と相関関係があることを示した. 本年度, これらの成果を論文としてまとめ投稿中である. 現在, 脳波位相同期現象の実験的指標を脳波数理モデルから解析的に導出する手法を構築中であり, 次年度においてその完成を目指す. また, 短期記憶に伴う神経の発火活動から脳波位相同期へいたるまでのメカニズムを明らかにするためにも, 個々の神経の数理モデルから脳波活動を導出するような枠組みを構成し, さらに短期記憶との関わりについて明らかにする研究を今後実施していく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度, アルツハイマー病患者に特徴的な脳波の変化を再現する脳波発生数理モデルを構築した. 本年度は脳波データから数理モデルの生理学的パラメータを推定する手法を構築し発表した. これらを現在論文化作業中である. また, 健常者を対象に短期記憶機能と脳活動の関係性を探るため, NIRSと呼ばれる近赤外線を用いた脳活動の測定を昨年度行なった. 本年度, これらの成果を論文としてまとめ投稿し, 現在リバイズ中である.
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Strategy for Future Research Activity |
現在, 脳波位相同期現象の実験的指標を脳波数理モデルから解析的に導出する手法を構築中であり, 次年度においてその完成を目指す. また, 短期記憶に伴う神経の発火活動から脳波位相同期へいたるまでのメカニズムを明らかにするためにも, 個々の神経の数理モデルから脳波活動を導出するような枠組みを構成し, さらに短期記憶との関わりについて明らかにする研究を今後実施していく予定である.
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Research Products
(2 results)