2014 Fiscal Year Annual Research Report
GEMS衛星によるブラックホールのX線偏光観測の実現
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12J06671
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
吉川 瑛文 東京理科大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際協力プロジェクト / 偏光観測の実現性の検討 |
Outline of Annual Research Achievements |
ブラックホールからのX線は、ブラックホール近傍に形成された降着円盤からの黒体放射と、降着円盤の周辺にある熱プラズマ(コロナ)からの逆コンプトン成分とがある。降着円盤からのX線は、伴星からのガスが降着し形成され、降着物質の重力エネルギーが円盤内での物質同士の摩擦によって熱エネルギーに変換される。降着円盤からのX線のエネルギーは0.1 keVから4 keV程度である。コロナ放射は、円盤からの種光子をコロナ内部の電子で逆コンプトンして5 keV以上にエネルギーを叩き上げて放射する。ブラックホールからのX線スペクトルが変化する際に、X線の偏光方向は、降着円盤からとコロナからとで大きく変化すると期待される。 2014年度は、ブラックホールからのX線の偏光観測を目指し、2つのブラックホールの観測的研究をした。非常に珍しい短時間における恒星質量ブラックホール Swift J1753.5-0127 のX線スペクトルの状態遷移を解析し、投稿論文にまとめた。また、Cygnus X-1のソフト状態のX線スペクトルを解析し、共同研究者である、英国の Durham 大学の Chris Done博士とともに、研究を押し進め、国内学会において発表した。博士後期課程の最終学年として、博士論文として、以上の研究成果をまとめた。またNASA主導で行われていたGEMS衛星計画のメンバーの一員として、X線の偏光を観測するための検出器開発を押し進めた。このような研究結果から、新たに立ち上がったX線偏光観測用の衛星計画の立案に対して、ブラックホールからのX線の偏光観測の可能性を示す事ができた。この新たに立ち上がった計画では、理化学研究所がさらに重要なメンバーとして、参加できるようになった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)