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2012 Fiscal Year Annual Research Report

真核生物の変異rRNA 80Sリボソーム精製技術の開発と遺伝暗号解読機構の解析

Research Project

Project/Area Number 12J06837
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

斎藤 和紀  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(PD)

Keywords翻訳 / 真核生物 / リボソーム
Research Abstract

本申請研究の目的は、真核生物の変異rRNAリボソームの精製技術の確立と、変異体による真核生物リボソームの機能解析である。
変異rRNAリボソームは、出芽酵母内で変異rRNAリボソームを発現・成熟させ、アフィニティー精製により野生型rRNAリボソームを分離することで精製する。この精製技術を確立するために、変異rRNAと野生型rRNAを共発現できる出芽酵母株の作成と、rRNAに付加しても高い分離能を保持できるRNAタグとその付加部位の精選を行う。
精製技術確立後には、tRNAまたは解離因子eRF1との相互作用を介した遺伝暗号解読でのリボソームの機能、および、変異rRNAリボソームの抗生物質への感受性の変化による抗生物質の細菌特異性の背景を解析する。
具体的な解析部位として、まず18S rRNAのコドン解読部位を解析する。rRNAのコドン解読部位の真性細菌での保存部位は、コドン-アンチコドン対合との相互作用により、GTP加水分解の誘導に必要なリボソームの構造変化を起こすとされている。つまり、正確なセンスコドン解読の監査を担っているとされている。真核生物でのコドン解読部位の機能性を明らかにするために、真核生物rRNAのコドン解読部位への変異導入による、GTP加水分解、アミノ酸転移反応とペプチド鎖解離反応の変化を検証する。また、コドン解読部位の細菌での保存部位は抗生物質の主要な作用部位である。真核生物rRNAのコドン解読部位への変異導入後、抗生物質による翻訳阻害効率を検証することで、抗生物質の細菌特異性の背景を塩基レベルで明らかにする。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本年度は、野生型と同等の細胞増殖能を持ち、かつ、リボソームのアフィニティ精製を可能にする、タグRNA配列を持つrRNAの作成を完了する予定であった。複数箇所にタグRNA配列が付加したrRNAを作成し、そのタグrRNAの増殖能をrRNAのknock down出芽酵母株で検証することで、細胞増殖能を持つタグrRNAは作成できた。しかし、その後のタグrRNAを持つリボソームのアフィニティ精製で、以後の目的である変異rRNAリボソームと野生型rRNAリボソームの分離に十分な精製度が得られなかった。そのため、現在は精製条件の再検討により精製度の向上を試みており、タグrRNAを持つリボソームの完成とはまだ言いきれない状況となっている。

Strategy for Future Research Activity

当初の計画では、解析対象となる変異rRNAとタグ配列のみを持つrRNAを適切な転写量で発現させ、タグ配列のみを持つrRNAのリボソームをアフィニティ精製用ビーズに結合させることで、ビーズの通過画分から解析対象の変異rRNAリボソームを精製する予定であった。そして、その精製した変異rRNAリボソームを用いて、リボソームのコドン解読部位を解析する予定であった。しかし、現状ではタグrRNAのリボソームの精製度が不十分であり、精製条件を現在検討中である。もし、十分な精製度を確保するのが困難となった場合、変異rRNAにタグ配列も付加し、タグ付きの変異rRNAリボソームを溶出画分として精製することを検証している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Analysis of stop codon decoding in eukaryotes2012

    • Author(s)
      Kazuki Saito, Koichi Ito
    • Organizer
      第35回日本分子生物学会年会
    • Place of Presentation
      マリンメッセ福岡
    • Year and Date
      2012-12-11

URL: 

Published: 2014-07-16  

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